受験生の保護者に求められる三つの「覚悟」

 

保護者に求められる「覚悟」とはどういうものがあるのでしょうか。わたしが特に大切だと考えているものを三点列挙します。

 

1.わが子の成績にその都度一喜一憂しないこと
塾の確認テスト、あるいは、模擬試験などで成績に波が生じるのは当たり前です。たとえば、悪い結果になってしまったときに、保護者が子に負の感情をぶつけるのは言語道断です。
  

2.中学受験をすると一度決めたら、よほどのことがない限り意志を貫徹する
小学校五年生、六年生の二年間は塾の授業時間、予習復習に取られる時間が膨大であり、ある意味「自由時間」はほとんど確保できません。子がそれだけの労力をかけているにもかかわらず、成績低迷などを理由に中学受験を断念させるのは、子どもにとって酷なふるまいになることが多いのです。

3.中学受験勉強で四苦八苦するわが子を「かわいそう」だと思わない
保護者が勉強を「苦役」と見なしているということですし、そのような価値観は子に伝播するものです。すなわち、保護者が子に同情の目を向けることで、わが子が勉強以外の「逃げ道」をつい探してしまう。結果として、勉強に身が入らなくなってしまう。そういうわが子を見て、また気の毒に思ってしまう……そんなループに嵌まってしまうと、学力を向上させるのは難しくなってしまいます。