地獄のようなダウンタイム……。整形は「失敗」だったのか?

 

手術は無事終えたかのように見えました。ところが翌日から、ダウンタイムとの戦いが始まります。それはもう、地獄のような一週間でした。

 

腫れや内出血などは4日ほどでほとんど引きましたが、私を苦しめたのは“頭痛”でした。

途端に、看護師さんの言葉が脳裏に蘇ります。「みなさん翌日からメイクしてガンガン出かけてますよ!!」と言っていましたが、みなさんは超人なんでしょうか。

正直私は、頭痛薬が切れると悶絶レベル。ピークの3日目夜についていえば、鎮痛剤も効き目なし。一晩中苦しみ悶え、ようやく朝が来た頃に頭痛はおさまっていました。今思えば、あの夜が峠だったようです。

朝日とともに、どこからともなく「恐ろしい夜があけ、朝がやってきました」というナレーションが聞こえた気がしました。ちょうど最近、人狼ゲームをやったせいでしょうか。それほどに長く辛い夜だったのです。

結局1週間、外出の予定はすべてキャンセルし、たくさんの知人に迷惑をかけてしまいました。その間は仕事どころではなかったので、翌週が本当に大変でした。ダウンタイムを舐めていた私のミスです。

(注:ダウンタイムは人によって個人差があるので、本当に翌日から普通の生活ができる人もたくさんいるそうです。)

さらに、ヒアルロン酸の注入に関してアクシデントがありました。顔の右側部分、目の下から唇にかけて、なんと感覚が麻痺してしまったのです。

10日たっても麻痺が治らず、結局頰に入れたヒアルロン酸が神経を圧迫していると診断され、頰のヒアルロン酸を溶解することになりました。

今回の施術、クマ取りの手術とヒアルロン酸注入をあわせて、合計35万円ほどかかっています。消えたヒアルロン酸に、私は大金を払ったのか……。そう思うと非常にせつないですね。

そしてその溶解の注射が、これまた何よりも痛かったです。

とはいえ泣くほどの痛みではないんですが、溶解の注射をしながら、痛みとともにダウンタイムのとても辛かった日々が走馬灯のように駆け巡り、手術台の上でボロボロ号泣してしまいました。お医者さんもギョッとしたことでしょう。

さて、今回のアクシデントを受けて、私はいろんなお医者さんとコンタクトを取り、お話を聞きました。実は、ヒアルロン酸の注入では稀にアクシデントがあるそうです。

幸い私は免れましたが、本当に重大なケースだと、血行障害や皮膚の壊死など、重大なトラブルの事例もあるのだとか。あらゆる医療行為にトラブルはつきものですが、今になって恐ろしく思うのは、私自身がそういったリスクを把握せずに、気軽な気持ちで施術を決めていたこと。

リスクを把握していれば自然と、病院や先生選びに関して慎重になってくるし、勢いで決断したりすることも防げるはずです。ダウンタイムに関しても、様々な可能性があることを理解するべきだなと本気で反省しています。

ちなみに肝心のクマはどうなったかというと、綺麗に目の下のたるみが取れました。現在はまだ術後3週間のため、完成系とは言えないようなのですが、すでに大きな変化を感じています。

 

例え周りの誰も気にしていなかったとしても、私にとっては大きなコンプレックスでした。ヒアルロン酸については正直やってよかったとは言えない状況ですが、目の下の変化については満足しています。

鏡や写真を見るだけでため息をつき、自分に自信が持てない……。そういう女性はきっと私以外にも少なからずいるでしょう。

そういう人たちを救い、笑顔にしてくれるのが、美容医療の本来あるべき形なのかなと思いました。

ただし施術を決める際は慎重に。皆さんが、私のようにノリと勢いだけで踏み切って後悔することのないようにと、心から願っています。
 

<後編に続く>
後編では、手術後の経過と、急激に加速する美容医療ブームについて私が感じたことについて思いを語ります。

構成/山本理沙