毒親の乗り越え方2: “相手が受け入れやすいやり方”で、自分の思いを伝える


親子だからと言っても、きちんと言葉で伝えないと、自分の思いは伝わらないことも多いものです。特に自己中な性格の親の場合は、相手の気持ちを想像しないので、なおさらです。
だから、「言わなくても分かるはず」なんて甘えないで、きちんと“相手が受け入れやすいように”伝える必要があるのです。

 

例えば、子供に依存する親と距離を空けるのであれば、単に「突き放す」のではなく、「お互いに思いやれる関係でいるために、距離を空けたほうがいい」ということは、きちんと伝えたほうがいいもの。
また、相手に直してもらいたいところがある場合は、相手を責めるような言い方ではなく、「こういうことをされたとき、悲しかった」など、“自分が辛かった気持ち”を伝えるようにすると、相手は「気を付けよう」と思ってくれることもあるでしょう。

もし口で言うと喧嘩になってしまう場合は、手紙を書いて伝えてみるのはいかがでしょうか? そのほうが相手も冷静に子供の気持ちを受け取ることが多いものです。このときは、手書きだとより思いが伝わります。パソコンで打った文章だと、どこか冷たい印象を与えてしまいますしね。
また、ただただ文句だけをつづった手紙は、相手の心をつかめないので、ちょっと恥ずかしくても、「会えなくなっても、いつもお母さん(お父さん)の幸せを願っている」といったことを書くといいでしょう。
あくまでも、「文句を言いたい(喧嘩したい)」からではなく、「いい関係を築きたい」から、手紙を書くのです。

そして、距離を空けたら、会ったり、連絡したりする頻度は少なくしたほうがいいし、特に自分の心に余裕がないときは喧嘩しやすいので、無理して会わないほうがいいもの。
いくら相手が「会いたい」と言ってきても、「仕事が忙しい」「子育てでバタバタしている」など、“相手が納得できる理由”を伝えた上で、断りましょう。このとき、単に「忙しい」というと、単なる言い訳に聞こえてしまうので、「今は週に1回、休みがあるかどうかで、睡眠時間が5時間しかない」など、具体的に伝えたほうがいいです。

そして、たとえ頻繁に会わなくても、母の日、父の日、誕生日などには、プレゼントを贈ったり、お正月などは必ず顔を見せたりすることは大切。
そうやって距離を空けながらも、大事なポイントの日はきちんと押さえて、いつも「気にかけていること」が伝わるような言動をとっておくと、親は「自分は子供に大事にされているのだ」と安心するところがあるのです。

人は寂しいと、誤った行動を起こしがちです。特に毒親の場合は、“自分に寂しい思いをさせる子供”に対して攻撃的になり、わざと傷つけようとしたり、困らせようとしたりすることがあります。
だから、きちんと愛情があることが伝わるような行動をとりながら、距離を空けて、相手に少しずつ、精神的な自立を促すようにすることが大切なのです。

また、人は本や作品を通して、「自分がどうするべきなのか」のヒントがもらえることがあるもの。そもそも愛を知らない人は、自分では「愛しているつもりでいる」ことが多かったり、精神的に自立ができていない人は、なにをしたら自立しているといえるのかが分かっていなかったりするところがあるので、親にヒントとなる本や映画(できるだけ教育系のものではなく、面白そうなもの)をプレゼントするといいでしょう。
幸せに生きるための思想を理解し、自分も持てるようになることで、ようやく性格が変わるもの。子供のほうが一歩大人になって、親の成長を促すことも大切なことなのです。

最後に紹介することは、親子関係が改善するために、一番重要なことだと言っても過言ではありません。次のページで紹介します。