「最近老けた?なんで整形しないの?」


美容オタクといえば、私の周りにも美容医療オタクが何人かいます。リモートワークの期間をうまく利用して、この1年で100万円以上のお金をつぎ込んだというツワモノもいますが、久々に会った彼女の肌は、たしかにツヤツヤで見違えるようでした。

しかしそういう友人と会話をしていて、大きな違和感を抱きました。なぜなら共通の知人についての話題になったときに、彼女が不意にこんな言葉を口にしたのです。

「○○さんって、最近一気に老けた気がするの。SNS見ていると、たるみが気になるよね。そろそろ“糸”入れればいいのに」

その発言に、私は大きな時代の変化を感じるとともに、危機感を抱きました。

 

少し前だったら、逆だったと思います。「○○さんって、顔いじったよね?」とか「あの鼻は絶対やってるよね」とか、整形しているかどうかを影で人がささやくような風潮がありました。

 

だからこそ皆、ヒアルロン酸やボトックスを注入しても、人には言いにくかった。10年ほど前の記憶では、シミ取りレーザー後の絆創膏すら私は少し気まずかったです。

それが最近はなんと「なんでやらないんだろう? やった方が綺麗になれるのに」と影で言われる時代になってきている。“若返り美容至上主義者”たちの台頭です。

私個人の考えを述べるならば、(私自身も整形と呼ばれるジャンルの施術に手を出したばかりですし、そもそも偉そうなことはいえないのですが)「やってもやらなくても個人の自由。どっちでもいいんじゃない?」という考えです。

一つだけ言えるのは、人間が老いていくのは自然の摂理。だからこそ、それを否定し「なんでやらないんだろう?」というような価値観を、他人に押し付けるのは間違っている気がします。

つい先日、友人がこんなことを言っていました。

「私、女性の目尻のシワってすごく好きなんだよね」

全く同感です。女性が笑って目を細めたときにできる目尻のシワは、幸せに人生を積み重ねてきた証のように見えるから。

もちろん自分を美しく見せるためのケアは徹底的に行っていきたいけれど、40代なら40代の美しさ、50代には50代の美しさがある。

無茶な手を加えてでも、10歳若く見せる方が正解……といった考え方から、私たちは解放されるべきだと感じました。
 

構成/山本理沙


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