K:家を買うときの「ローン」には、いろいろあるんですね。

中村:そうなんです。少し話がそれますが、最近問題になっているのが、「人に貸している投資用物件なのに、住宅ローンでお金を借りているケース」です。
特殊なケースですが、自分が住んでいないのに、住宅ローンを4つも持っている人のご相談も過去にはありました。

 

以前はそれが通っていた時代もあるのですが、最近は完全にNGです。そのため、金融機関から「自宅でないのであればローンは組めません。一括返済してください」と言われて、多額の返済を目の前にして困るケースもあります。

不動産投資で高い値段で物件を買ってしまっていたら、いざ売ろうと思っても思ったように売れません。その場合は、「弁護士さんに相談してください」とお伝えすることもあります。

 

K:うわ、大変……。
家は大きな金額だから、自宅でも投資用でも、かなり慎重に考えないといけないんですね。勉強になります。

我が家の場合ですが、実際に義母のために家を探してローンを組む場合、どのように考えたらよいのでしょうか。

中村:まずは年収とローンの具体的なバランスを見ていきます。ご主人の年収と住宅ローン返済額は年間どのくらいですか。

K:夫の年収は1000万円で、住宅ローン返済は、ボーナス返済も合わせると年間230万円くらいです。

中村:ざっくりと、年収の23%の返済額ですね。借りられる上限目安は、先ほどお伝えしたように35%ですので、合計で年間350万円借りられる目安です。

つまり、ざっとですが年間120万円が義理のお母さまのために借りられる金額の目安です。しっかり返済していけるかを考えるために、例えば今の住宅ローンの返済期間を一時的に伸ばす、といった方法など、さまざまなパターンを考えていきます。

K:返済期間を延ばすということは、今の住宅ローンの月々の返済額を軽くする、ことでしょうか。

中村:そうですね。もちろん、シミュレーションをして、完済まで家計が問題ないかをじっくり確認していく必要があります。
ご主人のお母さまのマンションについては、具体的に探し始めていますか?

K:いえ、住宅ローンが組めるかがわからなかったので、まだ全然探していません。価格のイメージもこれから考えないとね、と話していたところでした。

中村:これからなのですね。あとは自動車ローンや携帯電話の分割払いなど、ご主人が抱えているローンがあれば、全部合算になりますので、洗い出す必要がありますね。

K:そうですか! 車のローンはありませんが、携帯電話は分割払いをしていると思います。確認しておかなくては。次は……銀行探しになりますか?

中村:家を買って住宅ローンを組むときは物件の審査もあるので、先に、ある程度具体的な物件を決めておく必要があります。
そのため、候補になる物件を用意していただいてから、金融機関に住宅ローンの相談に行くという順番ですね。

ちなみに金融機関については、今後繰り上げ返済の可能性があれば、それがしやすいところをリストアップしたりということを含めて、弊社ではお手伝いをしています。

また、以前の記事でもお伝えしましたが、60歳を超えていて、パートタイム収入や年金などの定期的な収入があり、持ち家がある場合は、リバースモーゲージという選択肢も一緒に考えることもあります。

K:なるほど……。自分ではなかなか思いつかないような選択肢がたくさんあるのですね。夫ともじっくり話し合ってみます!
 

取材・文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)

 


第1回「不動産投資に失敗した人の3つの共通点「営業トークを鵜呑みにしない方法」」>>

第2回「不動産投資を始める前に「覚悟しておくべき」3つのこと」>>

第3回「オイシイ営業トークにだまされないために...不動産投資を成功させる4つの準備」>>

第4回「45歳4000万の住宅ローン見直し「プロに相談したら目からウロコのアドバイスが!」」>>

 
  • 1
  • 2