体の衰えを感じる患者さんご本人、あるいはご家族から、「あのサプリメントが良いと聞いたので飲むようにしています」というお話を伺うことも珍しくありません。

そのサプリメント、本当に意味があるのでしょうか。

そもそも、サプリメントには「補う」という意味があります。ここで誤解を解いておきたいのは、サプリメントは「足りないものを補う」補助食品であるということです。

足りていないからこそ「補う」のであって、「足りているのに上乗せする」意義は知られていません。

 


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普通に食事をとればビタミンCは欠乏しない


一般に、日本で普通に食事をとっている人であれば、サプリメントが必要なほど特定の栄養素が不足するというのは比較的稀なことです。ビタミンCのサプリメントは話題にされやすいサプリメントの代表格かもしれませんが、ビタミンCが欠乏するには、野菜や果物をほとんど全くとらないという状況がなければ生じ得ません。

仮に食事をとる場所の主体が居酒屋さんであっても、普通に食事をとっていればビタミンCが欠けるということはまずありません。このため、野菜や果物をとっていて、さらにビタミンCサプリメントを追加で摂取する意味は見出せません。

 

「ビタミンCで風邪予防」なんていうセリフは、誰しもがどこかで必ず聞いたことがあると思います。しかし、それを支持する科学的根拠は残念ながら何もなく、むしろ否定的な見解を示す研究ならばいくつも存在します(参考文献1)

 
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