②独立や副業に挑戦してみる

一方ですでに今の会社では「やりきった」という思いがあったり、冒頭のようにご家族の事情やご自身の体力面の不安などから、よりフレキシブルな働き方をしたいと考えているのであれば、独立や副業に挑戦してみるのも手です。

私が理事をしているフリーランス協会では毎年フリーランスの実態を調査・分析した「フリーランス白書」(※)を出していますが、調査に回答したフリーランス(法人化している人や副業もふくみます)のうち、50代以上が実に3割超を占めます(下図)

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2021」より

起業や副業というと「20代、30代の新しい働き方」という印象を持つ人がいるのですが、40代、50代からの挑戦も決してめずらしくはないのです。

ちなみに、今後はシニアのフリーランス化が進むと言われています。理由は今年4月から、改正高年齢者雇用安定法(通称「70歳就業法」)が施行されたこと。企業にとっては社員の70歳までの就業機会確保が努力義務になります。「就業機会確保」には社員として雇用し続けるだけでなく、業務委託として働くことの支援もふくまれます。まさに「誰もがフリーランスになりうる時代」が来ているのです。

 

③「学び直し」をしてみる

アラフィフ女性たちのキャリアカウンセリングをしていて驚くのは、実に多くの女性が大学院などの場で「学び直し」をしていることです。

実際、文科省の「学び直し」に関する参考資料によれば、社会人になったあとに大学や大学院などの学校で学んでいる(学んだことがある)人は約2割にのぼり、女性のほうが男性に比べて若干ですが「学び直し」に対する意欲は高い傾向が見てとれます。また、実際に学んでいる(学んだことがある)人は40代が23.8%と最も多く、50代でも20.9%に達しています(下図)

文部科学省「学び直しに関する参考資料集」より

私がお話をお伺いしている方には、MBA(経営学修士)に代表されるような経営に関する学びをされている40代、50代女性が数多くいます。そのために社会人大学に通われたり、なかには海外の大学のMBAプログラムをオンラインで修了された、という方も。

人生100年時代を生き抜くために、必要なのは健康と、自身の知見をアップデートする努力だとつくづく感じます。後半の50年により充実したキャリアを築いていくために、小さなことでもまずは一歩、踏み出してみてはいかがでしょうか。

前回記事「男性の3倍以上の結果が必要…それでも40〜50代のキャリア女性が『女性役員』を目指すワケ」はこちら>>

 
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