ポイントは、“身体のメカニズムを、事実として伝える”こと


とはいえ、男性に「生理について知ってください」と言ったところで、何をどう知ればいいのか、そしてどんなサポートをすればいいのか、そもそもわからない、というのが現実です。

「これまで女性たちが『言ってはいけないことだから』と、一人で抱え込んで我慢をしてきたからなんですよね。ですから女性側から、もっと話をしていくことが大切だと思います。

生理だけではなく、妊娠・出産・育児、そして更年期における変化もそう。なぜつわりがつらいのか、生理のときに自分はどんな状態になるのかなどを、パートナーや周囲の人に伝えていけるのが理想ですね」

オンラインでの個別相談も行う杉浦さん。

男性に対してだけでなく、子どもに対しても、「生理は隠すものではなく、説明すべきもの」と杉浦さん。

 

「自分の家庭環境から、無意識に『隠さなきゃいけない』と思っている女性はまだまだ多いでしょう。けれども変に構えることなく、事実として伝えればいいと思います。

私の子どもは今8歳と5歳ですが、血を見ると『ママ、痛いのかな。怖いな』と思うようです。
ですから『これは生理といって、痛くもかゆくもないんだよ。毎月、女の人は卵ちゃんを出して、赤ちゃんを作る準備をするの。精子くんと出会えなかった場合、赤ちゃんのために用意したベッドが必要なくなるから、血となって出てくるんだよ』と話しました」

「性教育をしなければ!」と構えるのではなく、事実を淡々と伝えることが大切。生理は人間に備わった生理現象であって、恥ずかしいことでも、隠すべきことでもないと杉浦さん。

「それと同時に、女性にはもっと自分の身体に向き合ってほしいと思います。生理は、自分の“今”を知るためのバロメーター。
普段と違っていたら、身体は冷えてはいないか、不摂生をしていないか、過度なストレスがかかっていないかなどを、自分自身でチェックするようにしましょう」


杉浦加菜子
助産師として都内の産科病院の産婦人科とNICU(新生児治療室)に勤務後、夫のオランダ赴任に帯同。海外での妊娠・出産・育児の経験を踏まえて、2019年1月に「ONLINEじょさんし」を立ち上げる。現在は助産師によるオンラインでの妊産婦ケアの第一人者として、幅広く活動中。

取材・文/萩原はるな
構成/片岡千晶

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