フリーアナウンサー馬場典子が気持ちが伝わる、きっともっと言葉が好きになる“言葉づかい”のヒントをお届けします。

 


枝豆、甘酒の季節は? 意外な「季語」の世界


「初泣き」となった天気予報での試練は続きまして……。

リードと呼ばれる10秒ほどの挨拶文は自分で考えるのですが、夜の出番に至るまでに、朝・昼・夕方の番組で天気にまつわる挨拶は出尽くしたに近い。
それでも人と同じ話はしたくない、ということで、スーパーで野菜や果物をチェックしたり、道端の草花に目を向けたり、空を見上げたり。本来、気づいたり感じたりするもので、探したり捻り出したりするものではないのですが、風情なんてどこへやら、必死に、ある意味血眼で(笑)ネタを探す日々。
そうして行き詰まった時、多くのヒントを与えてくれたのが歳時記でした。

あれから約20年。
夏井いつき先生の添削と毒舌が人気の「プレバト‼︎」で俳句を作るようになってから、今また手放せなくなっています。
(ちなみに明後日15日の放送では、特待生として昇格をかけた俳句を査定してもらいます。ドキドキ)。

なかなか昇級できず……明後日こそ!?

ページをめくる度に新しい発見があるのも歳時記の楽しいところ。
そこで今回は、個人的に興味を引かれた夏の季語をご紹介します。

 


「茄子(なすび)」
は、子季語や関連季語として、
長茄子、丸茄子、青茄子、初茄子、巾着茄子、白茄子、山茄子、千生茄子と言った種類別も、
茄子汁、茄子漬け、鴫焼、茄子田楽、焼き茄子、といった料理名もずらり。
私は茄子が大好きなので、「日本人、そんなに茄子が好きなのか!」と嬉しくなりました。


「鮨」
一年中美味しいお寿司ですが、塩漬けや粕漬けなど夏の魚の保存方法だった「鮓」から夏の季語となったそう。
まだ熟鮓に挑戦したことがないことは、食いしん坊の名折れ……。


「ビール」
これは、きっと皆さん納得ですよね。
ところが、旧暦の影響で「とりあえず」仲間の「枝豆」さんは秋の季語なので要注意。


「甘酒」
クイズ番組で出題されることもあり、今ではご存知の方も多いかもしれませんが、初詣で冷えた体を温めてくれる甘酒は、実は夏の季語。祭りの時などに作り、神前に供えたのちに振舞われたことや、栄養価が高く当時の飲むサプリだったことから。
 

「梅漬ける」「納豆造る」「奈良漬製す」「酢造る」「醤油つくる」
このうち私がやったことあるのは、梅漬ける、のみ。
昔の人の生活力はすごいなぁと感心してしまいます。


「夕焼け」
童謡「赤とんぼ」の影響か、その後黄昏れていくからか、個人的には秋のイメージだった夕焼けも、夏の季語。ちなみに他の季節では、春夕焼け、秋夕焼け、冬夕焼け、として詠むことが出来ます。


最後に、思わず目についてしまい、放っておけなかった季語を。
「左右近の馬場の騎射(さうこんのばばのうまゆみ)」
宮中の護衛をしていた近衞府の行事とのことですが、とにかく長い!
季語だけで12音。
残り5音しかないなんて(笑)。
 


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