Q. 子どもと大人で、ワクチンの効果や副反応に違いはあるのでしょうか?


これまでの臨床試験の結果(参考文献3を参照すると、ワクチンには、年齢に関わらず高い効果が見られるようです。抗体の量という点でいえば、12〜15歳の子どもは16〜25歳と比べて抗体の値が高いことが報告されており、その分高い効果が期待できるかもしれません。

一方、子どもと大人で比べた場合、ワクチンへの免疫反応の結果として起こる副反応の頻度は子どもでより高く見られるようです。

例えば、ファイザーのワクチンの試験結果(参考文献3を参照すると、最も多い副反応は注射部位の痛みでしたが、12〜25歳の8割以上に見られるようです。また、38度以上の発熱は約2割で見られています。2回目の接種後に解熱剤を使用した人の割合は約5割に達しており、解熱剤の準備が必要になる可能性が高いと言えるでしょう。一方で、40度を超えるのは、0.1%と稀であり、期間は多くの場合2~3日までと報告されています。

そのほかに多い症状として、全身倦怠感が挙げられますが、これは6割にも上ったと報告されています。これは大人では4〜5割と報告されていましたので、大人よりも多いようです。ただし、効果のない偽のワクチンを受けた人でも4割に全身倦怠感が報告されており、6割が本当に全てワクチンの成分の影響なのかは疑問が残るところでもあります。

 


Q. 子どもがワクチン接種を受ける際の注意点はありますか?


まず、副反応としての痛みや発熱が出る可能性が大人よりも高いので、解熱剤などの準備をしておいていただいた方が無難でしょう。腎臓の病気や胃潰瘍などの病気があって医師から止められているという場合以外、鎮痛薬の選択は、アセトアミノフェンでもイブプロフェンでもなんでも構いません。普段使い慣れた薬があるのであれば、それで良いと思います。

ただし、総合感冒薬を使われているケースもあるようですが、総合感冒薬には、解熱鎮痛薬に加えて、咳どめ薬やアレルギー薬も含まれており、それらが眠気などの副作用を出してしまうリスクがあります。このため、純粋な解熱鎮痛薬を使用していただいた方が良いと思います。

また、中学生ぐらいのお子さんの場合、ワクチン接種を受けた日も外で遊びたいというケースがあるかもしれませんが、あまり激しい運動をすると、痛みや腫れを助長する可能性もありますので、あまり激しい運動は避けていただくようご指導いただいた方が良いと思います。

お風呂のご質問もよくいただきますが、接種当日もお風呂には基本的に入っていただいて構いません。