現代人の多くは、人間関係に悩み、傷ついている


そもそも、なぜこういう「ゆるい関係」を築きたいと思っている人が多いのでしょうか。それは、「1人だと孤独だから、誰かと親しみ感を抱きながらつながっていたい」けど、「詮索されたくない」「束縛されたり、コントロールされたりしたくない」、さらに「人に期待して裏切られたことがあり、人と深く関わるのが怖い」「人に期待されることに窮屈さを感じる」「そもそも大人になってから、友達を作るのは難しい」といったことを思っている人が、少なからずいるからなのかもしれません。

 

どんなに人気者であっても、人間関係で悩んだことのない人は、皆無です。例えば、仕事の悩みで一番多いのは、仕事の内容そのものよりも、「職場の人間関係」だと言われるくらい、人とうまくいかないことでの苦しみは、悩みのもとです。
また、親子関係では、距離が近すぎるが故に苦しい思いを抱いている人は少なくありませんし、仲のいい友達がいても、お互いの環境が変わっていくにつれて、価値観が合わなくなり、仲が悪くなってしまうこともあります。なかには、嫉妬されたり、意地悪をされたりして、人間不信になってしまう人もいます。

「もう人に傷つけられたくない。でも、1人でいるのは孤独だからイヤ」だと思う人が多いからこそ、人畜無害の「家族でも友達でもない、ゆるいつながりの人」との関係に憧れるところがあるのかもしれません。
そういう相手だと期待しないし、相手も自分に理想を押し付けてこないからこそ、ふとしたときに予期せぬ優しさに触れたり、心の交流ができたりすると、喜びを感じるもの。
つまり、ただただ人と、「“見返りを求めない親切(愛)”を与え合って、争うことなく生きていきたい」という願いが、隠されているのかもしれません。

ただ、それは、本来は、「家族でも友達でもない、ゆるいつながりの人間関係」でなくても、可能です。もちろんそのためには、お互いが、「程よい距離感を保つ」「相手に期待しないで、ただただ無償の親切(愛)を抱く」こと、さらに、「精神的に自立していること」が大事です。
「自立すること=1人でいること」だと勘違いしがちですが、むしろ1人にならないために、自立は必要なこと。むやみに人に依存したり、頼ったり、期待したりしないからこそ、いい関係を築けることが多いからです。

逆を言えば、「自分には友達がいないけど、誰か心の隙間を埋めてくれるような、ちょうどいい相手(=都合のいい相手)が欲しいから、ゆるいつながりの人間関係が欲しい」と考えているようでは、おそらくいい関係は築けないでしょう。そこには依存心が隠れているからです。
相手と「程よい距離感を保つ」「相手に期待しないで、ただただ無償の親切(愛)を抱く」ことができる関係は、“大人ならでは”なのです。

多くの人は、「人に認められたい。受け止められたい。愛されたい」という思いを強く抱くからこそ、相手に期待しすぎてしまいます。でも、人に求めすぎないためにも、まずは自分が「自己を認め、受け止め、愛せる」ようになることが重要。つまり、そういう意味でも、「精神的な自立が大事」なのです。
そして、自立している人だからこそ、親しい相手とはもちろんのこと、「家族でも友達でもない人」とも、いい関係が築けると言えるのです。

結局、「家族でも友達でもない、ゆるいつながりの人間関係」に憧れる人の心の奥にあるものは、ただただ「いい人間関係を築きたい」という切なる願いなのかもしれません。
少なくとも自分自身は、精神的に自立して、いつか親しい人ともゆるいつながりの人とも、程よい距離感を持って、ただただ親切(愛)を与え合える関係が築けるときがくるといいですね。
 

前回記事「「怒りは百害あって一利なし」自分の中の怒りと上手に付き合う方法」はこちら>>


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