元スーパーモデルのポーリーナ・ポリスコワ(56歳)が、米「Los Angeles Magazine」9月号のエイジズム特集号の表紙でヌードを披露しました。エイジズムとは、年齢差別のこと。ポーリーナは自身のインスタグラムアカウントにこの無修正のヌードの表紙画像と、「我々は異なるサイズや肌の色による美しさを祝福することではかなり進歩しているが、年齢は依然として克服すべきものである」というメッセージを投稿しました。


修正なしでも充分美しいポーリーナーのボディですが、アラ還となった現在、「透明人間化」現象を味わっているとか。

 

「ある日、夫と一緒に夜、外出したの。デコルテの開いたタイトな黒のドレスに、赤リップ、そしてハイヒールを履いてね。私は自分がすごくセクシーだと思いながらカジノに入って行き、ランウェイを歩いているような気分だった。だけど誰からも注目されなかったの。以前なら、人混みの中を歩いたら、すぐに気づかれて視線を集めていたのに。そのラスベガスの夜では、人生で初めて、そうじゃなかった。誰も私を見もしなかったの」と、ポーリーナ。

ようやくひとりの男性が近づいてきたと思ったら、トイレはどこかと聞かれ、「それが私の最初の透明人間化現象だったわ」。

こんなに美しくて有名人のはずのポーリーナさえ、50代も半ばになると、着飾って出かけても誰にも注目されないという「中高年の哀愁あるある」を味わっていたなんて。

Netflixの人気ドラマ『グレイス&フランキー』でも、ジェーン・フォンダとリリー・トムリン演じる、推定70代のシニア世代のヒロインが、スーパーに行って店員に声をかけても誰にも気づかれず、「私たちって透明人間になっちゃったの?」というシーンがあるのですが、歳を重ねてくると、恋愛だけでなく、そんな風に「透明人間」化しちゃった感覚を味わう瞬間が増えてくるのでしょうか。何だか身につまされる、ポーリーナの告白。

Netflixオリジナルドラマ『グレイス&フランキー』より。写真:Everett Collection/アフロ

彼女のすごいところは、その経験から、より年相応に見えることや生きることを決意し、それ以降インスタグラムにすっぴんやヌード、ビキニ姿などの画像を加工なしで上げたり、自身の恋愛などについて本音を包み隠さずに綴ったりするようになったこと。果たして、その狙いとは?

「私はよく、『#betweenjloandbettywhite(J.Loとベティ・ホワイトの間)』というハッシュタグを使うの。世の中には、J.Loのようにものすごく若く見える女性か、ベティ・ホワイト(※99歳の人気女優)のように年齢相応に見えてもそれが影響しないくらい魅力的な女性がいて、その中間の層というのは存在しないかのようになっているの。実際の年齢を祝福しようなんてムードは皆無よね」。

7月、映画「stillwater(原題)」のプレミアに出席したポーリーナ・ポリスコワ。

だからこそ、ポーリーナは実年齢より若く見せようとはせずに、シワやたるみが見えるセルフィーも投稿するのです。それについて「服を着なさいよ、おばあちゃん」とか「そんなに注目されたい?」という批判的なコメントがあっても、「年相応に振る舞って挑発することでしか、人々の目に映れるようにはならないから。そうしないと、年老いた女性たちはいないものとして扱われる」とコメント。

つまり、若作りしなくてもありのままの自分の容姿を楽しんでいると表現することで、ボディ・ポジティブのメッセージを人々に発信しているそう。

以前にも、「セクシーに賞味期限はない」とヌード画像を投稿していた彼女。ポーリーナの勇気ある行動は、たくさんの女性たちに支持されています。

とはいえ、そんなポーリーナでさえ、昨年初めて、アンチエイジングのための美容外科手術を受けたことを告白。

美しさと若さはイコールではないとわかっていながらも、まだまだ年齢差別が根強い世の中で、自分の老化を心地よく受け止めるのって、なかなか難しいこと。若さにしがみつくのではなく、けれどいくつになっても魅力的でありたい。そんな葛藤をセレブたちも抱えていると知るだけでも、少し心が楽になる気がします。
 


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