【ソロ活の方法③】「これだけはできないこと」リストを作っておく

 

職業選択では、どんなに高給でもこれはしたくないという仕事を考えておくのも大切です。ひきこもりやHSP傾向のある人が、世間の物差しにしたがって高給だから、ステイタスが高いからと仕事を選択するのは危険です。実際、多くの人が、自分の気質を知らない、あるいは知っていても気づかないふりをしてそういう選択をした挙句に苦しんだり、うつに陥ったりしています。

結婚も同様です。容姿も好みで、年収も高い、夫婦のイニシアティブも自分が取れそうだといった理由で相手を選んだため、後悔する女性が増えています。結婚すると変わる人はよくいます。それ以前に、知り合いのHSP気質の女性で、婚約までいったものの、相手が口にした「これからは僕が渡すお金だけで生活をして」と言われ、気持ちがいきなり冷めた女性がいます。

周囲には「それぐらいのこと我慢できないの?」と言う人もいましたが、理屈ではうまく説明できない不穏さを彼女は感じたようです。敏感なHSPは、理屈や常識では説明できない「空気」を読み取ることがあります。その空気やカンを大切にして、「これだけはできない」「こういう人だけは避けよう」という「できないことリスト」「苦手リスト」を作っておくといいかもしれません。

 


著者プロフィール
高田明和さん:浜松医科大学名誉教授。医学博士。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。ニューヨーク州立大学助教授、浜松医科大学教授を歴任。『ストレスがもたらす病気のメカニズム』(角川文庫)、『魂をゆさぶる禅の名言』(双葉社)、『敏感すぎて困っている自分の対処法』(監修・苑田純子著 きこ書房)、『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』『HSPとうつ 自己肯定感を取り戻す方法』(廣済堂出版)など著書多数。

『HSPとひきこもり 「自分を生きる」ためのひきこもり=「ソロ活」のすすめ』
著者:高田明和 廣済堂出版 1540円(税込)

コロナ禍で世の中全体が広い意味での「ひきこもり」になる中、医学博士である著者が「ひきこもり」のメカニズムを人間関係に過敏な性質「HSP」と比較しながら脳科学的に説明。さらに、両者を前向きに捉えてそのメリットを説きます。「他人に合わせてしまう」「人と一緒にいると疲れる」など、自己嫌悪に陥りがちな「対人関係の悩み」を抱える人を解き放つ一冊です。



構成/さくま健太


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