「避難所」はどんなところか知っておこう


在宅避難が困難になった場合のために、避難所はどんなところか? を知っておくと安心ですよね。感染症予防のため、避難所は定員が設けられるようになり、その代わり避難所の数が増えたと言います。災害の種類によっては使えない避難所もあるので、まずは自分が住むエリアの避難所の場所と、対応できない災害を確認しておきたいところです。

さらに、食べ物は用意してくれるの? 寝具は貸してくれる? など、草野さんに「避難所に行く時に注意したいこと」を教えてもらいます。
 

●避難所はホテルではない


避難所の役割は危険な場所から避難するところです。
避難所によっては水と乾パンなど備蓄食品を配られる場合もありますが、テレビで見る炊き出しは大規模な災害が起こった時。行政や自衛隊が動いてからなので、少し先の話です。
布団もベッドもなく、せいぜいかたい毛布が1枚か2枚用意されているくらい。
さらには、避難所に入った人々が協力して運営しなければなりません。
避難所は「最低限命を守る村」のような場所です。


●避難所に持って行く食べ物の注意点


食料を持って行く場合は、大勢の人がいる避難所で食べることを考えて、クラッカーや水、ゼリー飲料など、目立たないように食べられるものを選びましょう。

 


●避難所に持って行くと良いもの


着替えやタオル類、寒さをしのぐストールや風呂敷などの他、感染症対策になるもの、電源を使わずに時間をつぶせるアイテム、避難所の電源を借りる時に便利なものを持って行くといいでしょう。

 

・マスク、体温計、アルコール消毒液、スリッパ
・トランプ、本、クイズ本、お絵かき帳
・コンセントタップ  など

 


●避難所でよく眠るために


避難所の体育館の床などは、マットがあっても硬く感じます。また、防犯対策のため電気はつけっぱなしだったり、避難してきた人の足音が結構響いたりと、なかなか眠りにつけないことも。寝る時には、貴重品が入ったカバンをまくらに、耳栓、アイマスク、抱き枕となるものなどがあると便利です。

 

今回ご紹介したのは、草野さんが紹介する「おうち防災」のほんの一部。日常でも役立つ備蓄や非常用トイレの準備、100均グッズでできる家具の転倒防止対策など、普段の生活の中でできることはまだまだたくさんあります。いつか起こるかもしれない災害に備え、「防災のシートベルト」をキュッと締めるための知恵が満載の本書をヒントに、家族で「おうち防災」を始めてみてはいかがでしょうか。
 

著者プロフィール
草野かおるさん:
イラストレーター/防災士。セツモードセミナーを卒業。出版社勤務の後イラストレーターとして活動。夫と2人の娘あり。雑誌(健康、マタニティ、ベビー、料理関係など)を中心にカットやイラストルポなど手がける。PTA、自治会を通じて16年にわたり防災勉強会や防災訓練などで防災活動に関わったことを生かし、東日本大震災の数日後、ブログにて発信を始め、現在はツイートも積極的に行っている。2018年には防災士の資格を取得。防災について、講演を行う他、テレビやラジオの出演も。『4コマですぐわかる 新 みんなの防災ハンドブック』『おかあさんと子どものための防災&非常時ごはんブック』(以上ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)など、著書・共著多数。
【ブログ】大地震に生き残るヒント
【ツイッター】@kaorutofu 【インスタグラム】@kusanokaoru

『おうち避難のための マンガ 防災図鑑』
著者:草野かおる 飛鳥新社 1320円(税込)

防災士の資格を持つ人気イラストレーターの著者が、マンガとイラストで「おうち防災」のノウハウを伝える、子供も楽しく学べる一冊。いつ起きるかわからない災害、そしてコロナ禍における避難生活――。不安とわからないことだらけの「在宅避難」について、スーパーや100均ショップのアイテムを活用した対策術や、防災グッズのコスパ検証など、おうち防災がより身近になる情報も多数掲載!


構成/金澤英恵


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