市井の女性が主役の『レボリューション 米国議会に挑んだ女性たち』


最後の3本目はスポーツの話題とは離れますが、声を上げる女性は市井の中でも生まれていることを実感できる作品です。『レボリューション 米国議会に挑んだ女性たち』を見逃さないワケにはいきません。インディペンデント映画祭の最高峰と言われるサンダンス映画祭で2019年に観客賞を受賞するほどの実力作でもあります。

主役は4人の女性候補者たち。彼女たちが行動を起こした一連の草の根運動を見ているだけで高揚感を味わえます。なかでもニューヨーク州ブロンクス出身のアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの力漲る言動はどれも献身的で爽快感満載。現在、米国史上最年少の女性下院議員として活動する彼女を既にご存じの方も多いでしょう。

その彼女が当時、一家の生計を立てるために飲食店で氷の補充を繰り返す重労働の仕事に明け暮れながらも「“労働者階級”と呼ばれるのには理由がある」と言い放ち、選挙活動の第一歩を踏み出していた様子が映し出されています。女性であるからゆえに過小評価される側面がある現実も受け入れ、強さに変えていることがその頃から伝わってきます。

 

この作品も、先の『大坂なおみ』も『あるアスリートの告発』も実は女性の監督が手掛けています。そこには女性監督作品ならではの共通する視点があります。それは多くの女性がモヤモヤとしながらも言い表しにくい小さなことにも細やかに目を向けていることです。この3作品から共感できることがきっとあるはずです。

注目ドキュメンタリーの名シーン
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