アサさんは無事に息子ハルタを出産しますが、それを機にアサさんが全力を尽くして避けてきたあの人を呼び寄せてしまいます。彼女が恐れていた通り、実母は玄関から入ってくるなり小言を連発。それから毎日アサさんの家に通いますが、彼女をフォローするわけでもなく、好き勝手に孫のハルタを愛で、自分の都合で帰っていくという傍若無人ぶりを発揮します。合鍵を拒否することくらいが、アサさんにできるせめてもの抵抗でした。

 
 

育児に加えて実母との攻防、夫の失業と苦労が重なったアサさんは産後5カ月目で突然体調不良に陥ってしまいます。医師からは子供から離れて息抜きすることを勧められますが、彼女の心の中に巣食う「実母」はそれを許してくれません。でもあるとき、彼女はこの心の声の正体を知ってしまうのでした。

 
 

自分を縛りつけていたのは実母ではなくけっきょく自分自身だった──思いもよらなかった事実に呆然とするアサさんでしたが、実母が心に深い影を落としていることに変わりはありませんでした。そんななか、アサさんは第二子となる娘ももを産みますが、実母のももに対する非道な仕打ちに堪忍袋の緒が切れてしまいます。そしてついに、アサさんは実母との決別を決意するのでした。