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眞子さまのご結婚を皇室記者が解説「一途な愛を、国民は見守るしかない」

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渡米までのハードル──短期での新居の確保は?

写真/JMPA

コロナ禍で国民がさまざまな困難に直面している中で自らの幸福を一途に求めるかたちになっている眞子さまのご心中はいかばかりでしょう。

「これまでの経緯も含めて、二人そろって記者会見をして、少しでも多くの国民に分かってもらえるよう説明したいというお気持ちは持っていらっしゃると思います」

婚姻届を役所に提出し皇室を離脱すると民間人になり、赤坂御用地の秋篠宮家を出なくてはなりません。渡米するにしてもパスポートの入手、米国滞在のためのビザも取得する必要があり、渡米までの間、眞子さまは一定期間滞在する居場所を確保する必要に迫られます。

「ただ、一時的な滞在先としてもセキュリティーがしっかりして、都心部でしかも短期の滞在先を見つけることは容易ではないと思います。金銭的な負担も大きくなります」

 


パスポートとビザの申請にも時間が必要


パスポートに関しては、皇族が海外に行くには皇室用パスポートがありますが、結婚後は一般市民として住民登録をし、外務省にパスポートの発給を申請することになります。パスポートが発行されるまでには、通常1週間から10日ほどかかります。

ビザについては、在日米国大使館に出向いて面接を受ける必要もありますし、配偶者ビザなのか働くことが前提のビザを取るのかで、取得するまでの時間も変わってきます。その上、コロナ禍では米国入国時にワクチン証明書も必要になってきます。

「10月には上皇后さまと眞子さま、11月30日には秋篠宮さま、翌日12月1日は愛子さまと、皇族方の誕生日が控えています。皇室にとっては誕生日は重要な行事で、他の活動もなるべく控えるようになります。とりわけ2021年の今年は愛子さまが20歳を迎え、成年皇族になられるという非常に大事な行事を控えています。

そのような大切な行事にぶつかるような形でのご結婚はおそらく避けるのではないでしょうか。
婚姻届を出す時期によっては、眞子さまの渡米は年明けということもありうると思います」


国民にできるのは、あたたかく静かに見守ること


現在、宮内庁が結婚に向けて作業をすすめているとみられます。小室さんが日本に帰国し、コロナのための隔離期間を終えて、小室さんと眞子さまがどのような記者会見を行うのか、注目されます。

「眞子さまのご結婚は既定路線になっています。私のような年寄り世代は、やや心配しながら今後の行く末が気になっていますが、今、私たちにできるのは、おふたりの幸せを祈りながらあたたかく静かに見守ることだけです。

やがて生活が落ち着いてきたら、これまで30年間皇族としてさまざまな体験や経験を通して身につけられたスキルを活かしたかたちで、新しい世界を切り開いていって欲しいと切に願っています」


大久保和夫(おおくぼ・かずお)
毎日新聞客員編集委員。宮内庁を中心に、皇室警察をはじめとする皇室関連の取材を続けている。皇室を通して日本と日本人について考えることを大きなテーマにしながら、70歳を過ぎても現役で活動している。

●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)

出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に、『愛のダイアナ』(講談社)、『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』( ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、 カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へ―』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、 『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

 

本文、キャプションは過去の資料をあたり、
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取材・文/高木香織
構成/片岡千晶(編集部)


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