電気を自給自足する、田中さんの環境に優しい家とは?

 

家庭が出す二酸化炭素を減らすために、ぼくは2015年に岡山の家を建て替えました。省エネがきちんとでき、なおかつ家に化学物質を一切入れない、ベニヤ板も接着剤も一切使わない、300年もつような造りの小さな住宅を建てました。その省エネ性能が優れているおかげで電気消費も少ないし、快適に暮らせています。

 

そこに太陽光発電を設置して、発電した電気をバッテリーにプールして暮らしています。この時、ぼくの家に入れた1台目のバッテリーと太陽光発電パネルのセットは、非常に高かった。世界最高の性能を持ってはいますが、値段が高かったんですね。

だけど今は、性能は落ちるんだけど非常に安いセットがでてきています。「自エネ組」という自給エネルギーを普及させようとしているチームがありまして、そこが「電気を自給していく仕組みを作ろう」と、中古のリチウムイオンバッテリーで鉛のフォークリフト用のバッテリーをずらっと並べて電気を貯めるシステムを作りました。これもぼくの家にも導入して、2つ目の仕組みを入れてあります。

もともと最初に入れた自給システムは800万円しましたけれども、2つ目の仕組みはかなり安いです。ほぼフルセットの値段で90万円ほどでした。太陽光発電ですから全国どこでもできるのですが、日本海側など冬場に晴れない地方の方は冬場の電気が足りなくなる。だから寒い地方では別な発電方法を入れていかなければなりません。

水の流れを利用して水力発電したり、通常の倍ほどの太陽光発電を雪が貯まらないように並べたり。もしくは冬場は暖房をずっと使いますから、ストーブに発電機を組み込むなどの仕組みを作っていかないと、冬の電気の自給ができません。そういうことをやっていけば、寒い地域でも自給していくことができるようになると思います。