高齢者のうつ病についての予防戦略を考えてみたいと思います。高齢者のうつ病は、特に持病を抱えた人に多い問題であり、脳卒中や心筋梗塞など、特定の病気をもった高齢者では4割を超える人にうつ病があったことを報告する研究もあります(参考文献1)

それだけ重要性の高いうつ病ですが、予防はできるのでしょうか。

 


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結論から述べれば、うつ病の予防は、認知症と同様に、何か劇的に有効な方法が存在するというわけではありません。ただし、塵も積もれば山となると言われるように、小さなことの積み重ねが効果的になる可能性はあります。

例えば、うつ病のリスクとなるような持病を抱えた高齢者が、体とこころの相関について学んだり、リラックスの技術、課題解決法、不眠・栄養・運動などに関する指導を受けたりした場合、自己効力感が高まり、うつ症状や不安、痛みや不眠などの症状が軽減されることが報告されています(参考文献2)

 

忙しい社会人にとってはなかなか難しいことかもしれませんが、隙間時間を使ってのメディテーションやリラックスのための呼吸法などを身につけておくことは、将来のうつ症状を減らす可能性につながるのかもしれません。

 
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