2012年にスタートした『ドクターX~外科医・大門未知子~』の新シリーズが始まります!
2年ぶりに未知子を演じるので、私自身もまだソワソワしています。
撮影初日に1日中ヒールを履いていたら、腰と首が痛くなってしまい、未知子の一番の敵は西田敏行さん演じる蛭間よりヒールかもしれません(笑)。

 

久しぶりの『ドクターX』の現場で感じたのは、みんなで真剣にふざけるエネルギー。この空気はほかでは味わえないものなので、私も楽しんで未知子を演じていきたいですね。

未知子は自由で天真爛漫、爽快で真面目な人。思ったことをすぐに言える、折れない人でもあります。
私自身はあっちを向いたりこっちを向いたり、いろいろなことに興味が湧いてしまうタイプ。未知子を演じるときには大木のように堂々としている姿を見せることが大事だと思うので、意識してまっすぐでいたいですね。
待っている患者さんの存在が、未知子の原動力。今回の新シリーズでは、その原点を突き詰めて演じたいとも思っています。

共演してきた人たちの中で一番変わったのは、エンケン(遠藤憲一)さんかな。役柄としても異動が多いですからね(笑)。
逆に変わらないのは(内田)有紀ちゃん! ずっと同じだな〜って思いながら、近くで見ています。

 

私はアップダウンが激しいので、ブレないという意味で未知子に近いのは有紀ちゃんかも。年齢を重ねるとどうしても身体や美に関しての話題が増えるのですが、『ドクターX』ならではだなと思ったのは、病気や医療に関しての内容をお互いにすぐに理解できること。医療現場を描くドラマに長く関わってきたからこそ共有できる感覚があるんですよね。

そして今回、“最強の敵”を野村萬斎さんが演じてくださいます。「僕たちの身体はジグザグになっているんだよ」というお話がすごく気になっているので、体の作りや動かし方なども含めてたくさんのことを学びたいと思っています。

 

コロナ禍であることは物語にも関係してきますし、もちろん撮影でもこれまでとは違うやり方が求められることもあります。みんなでワーッともみ合いになることも難しいので、寂しいなと感じることも。
でもこれは私たちだけではなく多くの方たちが直面していることですから、できる限りの対策をして最後まで走りきりたいですね。

これまでみんなでともに歩いてきた軌跡を、今回また伸ばせることをとてもうれしく思っています。
自分自身が思っている以上に視聴者の方から「またやらないの?」と聞いてもらえることが多くて、その度に本当に観たいのかな? と思いながらもシリーズを重ねてきました。

 

振り返ってみると、未知子が倒れたときにこれで終わるのかなと思って号泣した思い出があります。
新しいことをどんどんやりたいと思っていたタイプだし、後悔もなかったのに、みんなと会えなくなるのは寂しい、まだやりたい……、と思ったんですよね。たぶんシーズン2、3くらいで終わっていたら、そんな気持ちにはなっていなかったかな、って。

今の私にとって、『ドクターX』はホームのような場所。みんなでいいドラマにしたいという思いをひとつにして作ってきた場所です。
『フレンズ』のリユニオンを観たときにも感じた、年齢を重ねても阿吽(あうん)の呼吸で通じ合える関係でいられたら素敵だなと思っています。


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<ドラマ情報>
木曜ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』
2021年10月14日(木)スタート、毎週木曜夜9時放送
初回は夜9時〜10時09分放送

 

ニュージーランドにやって来たフリーランスの天才外科医・大門未知子(米倉涼子)は、執刀医を務める同国副首相のオペが始まる数時間前、AEDも設置されていないのどかな牧場へ。慌てて迎えに来た副首相オペの第一助手・一木蛍(岡田将生)の前で、不意に感電して瀕死の状態に陥った羊飼いの命を救う。
その後、未知子は副首相のオペも成功させ、日本へ帰国。参議院議員・一橋由華(冨永愛)が主催するパーティーに招かれる。実は由華は、主治医の一木の勧めで、胆石症のオペを未知子に頼もうとしていた。
その矢先、パーティー会場内で由華が急性胆のう炎を発症して倒れ、未知子とともに搬送先の東帝大学病院へ。緊急オペを断行しようとする未知子の前に、内科主導の組織改革を推し進める内科部長兼院長代理・蜂須賀隆太郎(野村萬斎)が現れる。

撮影/嶋田礼奈(講談社)
取材・文/細谷美香
構成/片岡千晶

 


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