どうやら撮影自体をとても楽しんだ様子。TV版を含めて3作品で同じ役を演じるというのはとても稀有な体験だと思いますが、ご自身の演じた華という役についてはどう考えているのでしょう?

「華を演じるときに気をつけたのが、泥棒スーツを着る前と後での表情や口調の変化です。華は(泥棒スーツを着て戦うことに)葛藤はあるんですけど、それより愛する人たちを助けたいという思いが勝るので、その気持ちが伝わるような表現を心がけました。華を最初に演じたときは(武内英樹)監督から「(和馬との間に)“ロミジュリ感”を出してほしい」と言われたんですが、私も子どもの頃から『ロミオとジュリエット』の世界観が大好きでしたし、ミュージカルなども好きなので、華を通してそれらを体験できたので嬉しかったですね。舞台衣装のようなドレスを着たり、何でもない場所で華麗な歌やダンスを繰り広げたり。あと、華と和馬との関係には切なさがあって、それこそ“ロミジュリ感”があって現場に行くのが楽しみでした。お話があればまた華を演じてみたいです」

この発言を受けて「華のこの先の人生をもっと見せてほしい」と思った人も多いでしょう。それくらい役に息を吹き込み、魅力的に演じてくれた深田さんですが、『ルパンの娘』シリーズが人気を集めた理由についてこのように考えているようです。

「現実ではありえないことを、渡部(篤郎)さんをはじめ素晴らしい出演者の方々が真摯に演じているところなんじゃないかなと思います。あとは、リモート泥棒のように意表を突いた設定も素敵ですよね。この他にも時事ネタを盛り込んでみたりと、本当にいろんなことをやっていて、それが支持されているのかなと思います」

 


同世代のパワフルな姿を見ると強くなれる

 


劇場版において、華は愛する家族を守るためにさらに強い女性へと成長していきますが、深田さん自身はそのように自分を強くしてくれる存在はいるのでしょうか?  

「私の周りにはパワフルに生きている30代後半から40代の友人が多くて、そういう人たちを見ていると自分も頑張らなきゃと思います。私をを引っ張ってくれる心強い味方です。私自身は本来、決して強いタイプではないんですけど。30代後半になると『これからの人生どうしよう』と切実に考えるようになりました。そうはいっても私は自分のために時間を使えてしまうので、お子さんのいる同世代の友人を見ていると本当にすごいと感じます。家族のご飯を作って、幼稚園や保育園の送り迎えをして、学校行事にも参加して……彼女たちを心から尊敬しています」