あとで調べるために使う「知ったかメモ」


お話を聞く相手によっては、自分の知らない専門用語や業界用語、略語や英語がバンバン出てくることもありますよね。

 

私は、編集者・記者としては美容ジャンルが専門です。美容業界も専門用語や医学用語が頻出する分野です。新しい美容液や日焼け止めについて開発者へ取材すると、「チロシンがメラニンに〜」「チロシナーゼが〜」「ドーパからドーパキノンへと〜」……と専門的な用語が次々出てきます。

 

それらを「○○ってなんですか?」といちいち聞いていたら、話が先に進みません。もちろん知ったかぶりをして大事なところを聞き流してはいけないし、そもそも取材をする前に、ある程度の基礎知識はつけてから来るべき、というのは大前提ですが……。事前にすべて網羅するのは難しいもの。

「ほうほう、なるほど」とそれぞれの因果関係や流れだけ聞いておいて、個々の固有名詞の単語の意味はあとで調べるためのメモが「知ったかメモ」です。自分がそのときは知ったかぶりをしてやり過ごしたなってことの記録でもあります。

もう一つこのメモの意図は、取材された側の記憶が間違っている、誤用・誤認しているケースがあります。「専門用語」の他に注意したいのが「数字」=年齢、回数、量、最初に、最後になどは、本人が間違って記憶していることもあるので、必ず後から確認するクセをつけておくといいと思います。本人が「35歳の時に」「受賞後、初めて〜」と言っても、32歳だったり、初めてじゃなくて2回目だったり、受賞前のことだったり、記憶に思い違いがあるのはよくあることです。

「知ったかメモ」は、最終的に記事にする際に注意するポイントにもなります。