児童書については、なんといっても利用者の記憶が頼りです。
「おばあちゃんから『あれはオニグルミだよ』とかいろんな知恵を授かりながら、雪の日にピクニックする絵本を探しています。題名がわからないんだけど、オニグルミが出てくるのは間違いありません。クイズみたいに話をしながら歩いていくストーリーだったはず」

「ゆき」と「ピクニック」をキーワードにすると複数の本が見つかりますが、「絶対出てくるもの」というヒントがあったので本が特定できました。

「お探しの絵本は『まあばあさんのゆきのひピクニック』だと思います」
「よかった、見つかった!」

児童書に関しては、あらすじで検索できたり、ものから検索できたりする事典やデータベースが存在します。「昔読んだ、ホットケーキが出てくる本」など、印象に残っているものから本を探すこともできますので、長年気になっているあの本、これを機に探してみませんか。

 

児童書と郷土資料の分野は一般書より専門的な知識の蓄積が求められます。経験が必要になるため、一度担当になると長くかかわることが多いですが、最近では専用のデータベースがインターネットで公開されることによって担当でない人でもかなり探しやすくなってきました。

これくらいうろ覚えでも、断片的な情報しかなくても、大丈夫です。ぜひカウンターに一度いらしてください。お探しのものに一歩近づくお手伝いをいつでもさせていただきます。

『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』
編著者:福井県立図書館 講談社 1320円(税込)

図書館の利用者さんの“覚え違いタイトル”をホームページで公開している福井県立図書館。その中から秀逸な“覚え違いタイトル”を厳選した本書は、クイズ感覚でも楽しめる爆笑エンターテインメント。どんな覚え違いでも、ぼんやりうろ覚えでも答えを探し当てる司書さんたちの検索能力に、リスペクトが止まりません! さらに、司書さんたちのお仕事の裏側や、検索システムの裏技なども紹介。「私のまちの図書館」がもっと身近に感じられる一冊です!


イラスト/多田玲子
構成/金澤英恵