自尊心は、「自分をOKだと認める」こと
そもそも自尊心とは何でしょうか。平たく言えば、「自分自身をOKだと認めること」です。自尊心と自己肯定感は、ほぼ同じですが、自尊心のほうが、「自分の存在そのものを、ただただOKとする強さがある」と言えるのかもしれません。
生まれた時から自尊心が低い人はいないので、色々な経験によって、自尊心を傷つけられ、低くなってしまうものです。
例えば、親が自分をありのままを受け止めてくれたわけではなく、勉強ができたり、いい子だったりしないと認めてくれなかったため、「ダメなところがある自分であっても、ただただ存在していていいのだ」という安心感を得られずに大人になってしまった人は多いものです。
子供は親から愛を学ぶことも多いので、親が本当の意味で、愛し方を分かっていないと、子供が大人になっても、自分や人を愛することが分からない人になってしまうことは少なくありません。
きちんと愛されずに、自尊心が低くなってしまうと、「“ありのままの自分”を受け止める」ことができないため、本当の意味で、自己を愛せないし、「自分なんか、人に受け止めてもられるわけがない」という自虐的な思いを抱えてしまうこともあります。
それで、人によっては、「こんな失敗をするような自分では、嫌われてしまうのではないか」という恐れを強く抱いてしまい、「ミスを認めない」という言動につながってしまうこともあるでしょう。
「自尊心を高める」ために大事なこと
では、自尊心を高めるためには、どうしたらいいのでしょうか。本来、「自尊心を高める」というのは、「ただただ自分は存在していていいし、存在する価値はある」と、心から思えるようになることです。
それは、単に「自分の理想とする人間になれるように努力し、実際にそうなれた」からといって、高められるものではありません。それでは、何か問題が起こって、自分がその理想に当てはまらなくなったら、また自己否定をしてしまいますしね。そんな“条件付き”で自分を認めるのではなく、もっと「根本的な思い」が大切なのです。
個人的に、自尊心を高めるためには、「自分自身はもちろんのこと、誰もが存在しているだけで価値があるのだ」ということを深く理解し、それが“物事の本質”なのだと捉えることが大切だと思うのです。
単に「自分自身だけの価値」を認めるのではなく、「誰もが価値があるのだ」と思うことで、より自己の存在を無条件に認められる気持ちが強くなることもあるでしょう。
さらに、「絶対的な自己への信頼」を抱くことがポイントとなります。「自分は何があっても大丈夫。乗り越えてみせる！」と、強く信じられるようになることが大事なのです。
そうすると、たとえ自分が大きな失敗をしたとしても、「自分の存在自体が損なわれるわけではない」と思えるし、「自分なら、この逆境を乗り越えられる」と信じられるので、逃げずに対応できるようになるのです。
もちろんなにかミスをしたら、文句を言われたり、評判を落としたりすることはあります。でも、そうなったとしても、「本来の自分自身の価値は下がらない」のです。つまり、「自分のやってしまったミスには価値はなくても、自分自身そのものには、価値はある」ということです。
人はいつだって変われます。だから、価値のないミスをしたって、その次は人々を幸せにするような偉業を成し遂げることだってあり得るのです。
とはいえ、「誰もが存在しているだけで価値がある」と言うと、「だったら、犯罪者も存在してもいいってこと？」なんてことを言う人も出てくるでしょう。
実は、この答えを考えることは、深く「自尊心を理解する」ためにも大切なことです。次のページで紹介します。
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