便利すぎる「のですが」の罪
先ほどの悪文(A)には、文章を長くしている犯人がいます。
そう、犯人はズバリ「のですが」です。
〜好きなのですが
〜気がするのですが
と、いくらでも文章をつなげられてしまうために、文章を長くする要因に。まずは「のですが」を使わないと心がけるだけで、一文がぐっと短くなります。
「が」は「〜にもかかわらず」の意図だけに使う
「のですが」の「が」は無意識に使っては“危険な言葉”です。なぜ危険かというと、順接でも逆接でも使えてしまうから。
「順接」とは、予想通りの展開。「努力したから、成功した」
「逆接」とは、予想外の展開を示す表現方式です。「努力したけど、失敗した」
「〜だが」「〜ですが」「〜のですが」の「が」は、「〜にもかかわらず」を意味し、逆接の時に使う接続助詞です。しかし、単純な接続にも使えて“しまう”ところが厄介です。
書き手がどっちの意図で「が」を使っているか、この一文からは読み取れず、文章がわかりにくくなっています。「が」がきたら読む人は逆の展開(〜にもかかわらず)を想像するのに、単純な接続として使っている可能性もあって混乱が生じるわけですね。「西荻窪のほうがよかった、吉祥寺になってしまった」というニュアンスがあるのか? ないのか? スムーズに読めない文章になってしまっています。
「〜にもかかわらず」というニュアンスのない場合=順接の「が」は使わないと決めてしまいましょう。
例文を使って修正します。
↓
この映画は、16世紀の英国王室を舞台にしています。豪華な衣装も見どころの一つです。
↓
私は昔からブローチが大好きです。特にカメオタイプに目がありません。
逆接じゃない「が」を削って文を切ると、自然と「一文一義」になります。
原稿だけでなく、スピーチやプレゼン、メールなどでも、逆接じゃない「が」を使わないと意識してみてください。ぐっと簡潔に、意図が伝わりやすくなると思います。
今日のBata’s Point
▼右にスワイプしてください▼
この記事は2021年11月2日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。
前回記事「文章が上達する人、しない人。自信がある人ほど陥りがちなツギハギ修正の罠」>>
- 1
- 2
Comment