ミモレで2021年に公開された記事のうち、特に人気があったものをご紹介します。よろしければぜひご一読ください。

無意識に使ってしまいがちで、“文章のもたつき”を生む言葉に「という」と「こと」があります。「という」と「こと」を減らし、言い換えるコツをご紹介します。

 


「という」はなくても成立することが多い


話し言葉に近い文体で書くブログやWEB記事は、普段の口グセ・言い回しのクセがそのまま文章に出やすいですよね。前回ご紹介した「のですが」同様、「という」も、無意識にクッション言葉として使いがちです。私自身もインタビューの録音をテープ起こしのために聞くと、「〜なんですが」と「〜という」「〜っていう」を多用していることに気づいて反省します。

「〜のですが」や「という」「ということ」など、話し言葉では語気をやわらげるクッション言葉も、文字として連続するとより目障りでまどろっこしい印象に。私はこれを「文章がもたついてる」と呼んでいます。

文章のもたつきを生む「という」がないかチェックしてみましょう。

 
(例)
一番好きなのは「指輪を置いて帰る」というシーンです。

一番好きなのは「指輪を置いて帰る」シーンです。

このように、多くの「という」はなくても文章が成立します。

 


「という」と「と言う」の違いを意識する


「という」が近い位置で連続してしまった場合、どちらかを削るか、違う言い回しがないか考えてみます。

(例)
丸顔の私には丸メガネは似合わないという思い込みがありました。でも、店員さんが「ぜひかけてみてください」というので……

(修正案1)
丸顔の私には丸メガネは似合わないと思い込んでいました。でも、店員さんが「ぜひかけてみてください」というので……

(修正案2)
丸顔の私には丸メガネは似合わないという思い込みがありました。でも、店員さん「ぜひかけてみてください」と言われて……
 

「という」を削るポイントは、「という」には2種類あると意識することです。「述べる、発言する」の意味の「と言う」と、「言う」の実質的意味が薄れた補助動詞の「いう」のパターンがあります。あっという間、嫌というほど……など、補助動詞のほうの「という」は削りにくい。文字通り「言う」の意味がある場合は、「と呼ばれ」「と語り」など別の言い回しに変えると「という」の連続を避けられます。

「という」は絶対使ってはダメ“という”ことではなくて、なくても成立するなら削る、連続してしまったらどちらか言い換えるといいと思います。

続いてもう1つ、便利に使ってしまいがちな「こと」の言い換えをご紹介します。

 
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