対人トラブルやクレームはできれば避けて通りたいものですが、社会生活を営む以上、大なり小なり遭遇してしまう可能性が高いですよね。なかにはその渦中にいるという人もいらっしゃると思いますが、適切な対処法を身につけておけば必要以上に恐れることはないようです。

それをわからせてくれるのが、JR東日本の車掌時代に「英語車掌」として注目を集めた関大地さんの著書『車掌出てこい! 英語車掌が打ち明ける 本当にあった鉄道クレーム』です。

本書で紹介されている理不尽なクレーム客たちには第三者ながら憤りを覚えますが、それを鮮やかに切り返す関さんの姿は痛快そのもの。スカッとしたいときに読むべき一冊といえるでしょう。しかし、そこで止めておくにはもったいない内容でもあります。

本書で紹介されている対処法や気持ちの切り替え方は、日常生活における理不尽なクレームに対してもきっと役に立つはず。今回はその一部をご紹介したいと思います。

 

クレームを付けてきた相手に勝つ秘訣とは?


逆ギレした不正乗車の男性客に暴力を振るわれたり、満員電車内で乗客に「悠々と座ってんじゃねぇ‼」と文句をいわれたり。ありとあらゆるクレームと対峙してきた関さんは、プロとしての心構えをこのように語っています。

 

「車掌の仕事は、肉体的にも精神的にも負担が多いものだ。いかにストレスを抱えないように仕事をするのかも、テクニックの一つである。クレームが発生したときも、『どのように対応すれば最小限の労力でお帰りいただけるのか』をわかっているだけで、精神的ダメージを最小限に抑えることができる」

関さんは、クレームに対しては逃げることも感情的に反撃することも得策ではないと主張しています。クレームをうまく処理するには、冷静になることがなによりも重要なようです。

「トラブルやクレーム対応は、“人を熟知しているか”によって勝負が決まる。いかに戦略で勝つかだ」