「今日の仕事は、楽しみですか」にドキッとした人へ


――そういえば少し前、品川駅に掲出された広告の「今日の仕事は、楽しみですか」という宣伝コピーが炎上しました。yujiさんはどう思われましたか?

想像ですけれど、割り切り難いモヤモヤを抱えている方ほど、反応してしまったのかなと……。先ほども言いましたが、今は働き方の多様性が認められる時代ですよね。仕事がライフワークな人もいれば、そうじゃない人もいていい。好きを仕事に選ぶ人もいれば、あえて選ばない人がいてもいいわけです。ただ、なんて言えばいいのかな。ワークとライフ、好きと仕事を割り切っている人は、あのコピーに反応しないと思うんですよね。逆を言うと、反応してしまった方、プラスに受け止められなかった方は、「今自分は本心と違うことをしている」というセンサーが正常に働いた証ではないかなって。ということは、あのコピーは現状打破するためのモチベーションにもなり得るのでは? と感じました。

 


風の「吹き溜まり」にならないために


――ドキッとした人ほど、自分で現状を変えていける可能性があると。

 

そうですね。大きなアクションじゃなくても、まずは一歩前に出たり、手を挙げてみたらといいと思います。その姿を誰かが見てくれていて、急にチャンス到来! なんてことも起こり得るわけですからね。そういえば今思い出したんですが、ある時タクシーに乗っていたら運転手さんが「実は僕、作家になりたかったんだよね〜!」って話しかけてきたんです。「何か執筆されてたんですか?」って聞いたら「なんもやってないんだけどね〜!」って。「なんもやってないんですね〜!」って心の中でのけ反りましたけども(笑)。運転手さんを批判するとかじゃなく、ここで言いたいのは、「本当はこれがやりたい!」と思っていることから逃げ続けていると、モヤモヤが蓄積して風の時代の「吹き溜まり」になってしまうかも? ということ。もし自分の“好き”を見つけられているなら、何か一つでも始めることをおすすめしたいです。