ピュアすぎる展開に
照れる40代の心理


そんなわけで私は、『カムカムエヴリバディ』の放送が始まって以来、周囲の女性編集者たちに、とにかく「いいよ」「見てみて、キュンキュンする」と薦めまくっていたのですが、あるとき、その中の一人からこう返されてハッとしたのです。「ピュアすぎて照れるよね」と

 

照れる……。これは『カムカム』を見ていて、私の中には1ミリも生まれていなかった感情でした。私はただただ、時に稔との恋に絶望し、また希望を持ち……という安子に気持ちを重ね、目頭を熱くしていたというのに。ちなみにこの「照れる」と言った編集さんは、私とは真逆の環境にいらっしゃいます(つまり既婚でお子さんあり)。その違いが、この決定的な感情の違いを生み出しているのかどうかは分かりません。が、少なからず私と彼女が歩いてきた何らかの道の違いが、安子と稔の恋模様の捉え方の違いにはつながっている気が……。そんなふうに感じてしまったのです。

自称・非恋愛体質の私は打ち震えた。既婚で子育て中の編集さんは「照れるよね」と言った。さてアナタはどう感じるか? そんな自己診断目的も含めて『カムカムエヴリバディ』、是非一度ご覧いただきたいと思います。
 

構成/藤本容子


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