人気エディターの小林文さんに、最近のお気に入りアイテムをコーディネートとともに紹介してもらいます。

¥52800/ペリーコ

“足元で外す”という技に長い間甘んじてきたことを、ここに白状いたします(笑)。

この連載や私のインスタグラムをご覧いただいている方であればお気づきかと思いますが、私の普段のコーディネートはごくごくシンプル。レイヤードもそんなに頻繁にはしませんし、今の季節はニットとボトムのワンツーコーデがほとんどです。

 

そうなると、小物の力に頼りたくなるわけで。特に靴の存在はコーディネートを今っぽく仕上げるために重要なパーツとして、朝、吟味に吟味を重ねています。

ハイゲージニット×スラックスパンツのコンサバ度の高い日にはスニーカー、ざっくりニット×インディゴデニムのカジュアルな日にはローファー、Vネックニット×ロングフレアスカートのやや甘い装いの日には厚底のショートブーツ。私の中の“足元で外す”は、「思いっきりカジュアルな靴を選ぶ」ではなく、「ややボリュームのある靴を合わせる」こと。そうすることで、全身のコーディネートを今っぽく見せようとしてきました。

けれど、この秋出合ってしまったのは、NOTボリューム系。底にも甲にも厚みがない、足と地面が近い、すっきりきれいなフラットパンプスです。

 

上質なレザーや足入れしたときのフォルムの美しさに定評がある、イタリアンブランド・ペリーコ。私も20代後半から憧れ、ご褒美的感覚で少しずつ集めてきました。

その中でも、今回は特にお気に入り。

まず、ほっそりとしたフォルム。かかとや土踏まず、大事な箇所にピタッと吸い付いて、足そのものがスマートに見える設計。甲にはペリーコのアイコン“アネッリ”シリーズ同様、直線的な小窓のようなカットを施して。

ポインテッドの先をちょんっとまっすぐ切ったようなさりげないスクエアトゥは、モードすぎず、でもしっかり新鮮味がある。トレンドうんぬんにかかわらず、長く履けそうなデザインです。

そして、やはり特筆すべきは、パテント素材。シックで上品で、清潔感があって、華やか。20代のころは「何にでも合うから」と半ば惰性で履いていたパテントパンプス(別ブランド)。10年以上ぶりに再会した、このフラットのパテントシューズは、「何にでも」ではなく「ちゃんと計算して」履きたくなる、大人の靴です。

白のシアーニットにハイウエストの黒スラックス。チャコールグレーのリブソックスでキリッと繋いで。モノトーン、グレーのワントーン、ネイビー×黒のモードな配色にも。あくまでシックに、外さず。“きれい”なままのコーディネートもいいものです。

 

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