「会社に向かう足取りが重い」「出社のことを考えると苦しくなる」──このような状態が常日頃から続いているとしたら原因は何でしょう。仕事量が多いから? それともヒマすぎるから? 満員電車が苦手だから? 理由は人それぞれだと思いますが、多くの場合は職場での「人間関係」ではないでしょうか。

しかし、このように心が重い状態を放置しておくのは危険です。仕事のクオリティが低下するだけでなく、いずれは健康にも悪影響を及ぼすでしょう。そんな危険水域を脱するヒントをくれるのが、精神科医・産業医として精力的に活動する井上智介さんの著書『「あの人がいるだけで会社がしんどい……」がラクになる 職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』です。本書では、職場でのストレスの原因となる「めんどくさい人」のパターンをいくつか挙げ、その人たちの心理を分析しながらうまく対処する方法を解説しています。

今回は「めんどくさい人」への対処法を、【上司】【部下】【同僚】という3カテゴリーの中から1パターンずつピックアップしてご紹介します!

 


自分からアクションを起こさなければ人間関係は変わらない


私たち人間は、自分ではコントロールすることができないものにストレスを感じます。その代表例として、「他人」があります。その他人は、あなたにとって、いつでも心地よい関係だとは限りません。少しでも自分が快適に過ごせるように、「相手に変わってほしい……」と望むこともあるでしょう。

 

しかし、実際には相手を変えることはとても難しいことです。あまりにも苦しい関係であるならば、逃げ出してしまったほうがいい時もたくさんあります。とはいえ、職場での相手となると、そんなに簡単には距離がとれなかったり、すぐに逃げ出すことができませんよね。

だからといって何もアクションを起こさずに、あなたがずっと我慢をし続けるのは、そのまま負担がかかり続けてしまい、いつかあなたがダウンしてしまうことになります。私はそのような人をたくさん診てきました。

今も、会社に行こうと思う時だけでなく、休日でさえ“めんどくさい人”の顔がよぎってつらい思いをしているのではないでしょうか。「あの人のことはどうにかしたいけど、どうすればいいか分からない……」という悩みを一緒に解決していきましょう。