Netflixシリーズ『セックス・エデュケーション』

「セックス・エデュケーション」 写真:Everett Collection/アフロ

セックス・セラピストを母に持つ童貞の高校生オーティスは、母から得た知識を活用し、高校でセックスと男女関係に関するセラピーを始めます。主人公の母親はシングルマザーなのですが、性的に奔放でオープンで、息子の成長も知らん顔してくれません。

 

困惑だらけの息子に爆笑しつつも、こういう関係ーーつまり母と息子がセックスについてこんなふうに話すことができたら、オーティスのセラピーも繁盛しなかったんでは……? なんてことも感じます。さらに言えばオーティスは、セックスへの偏見や思い込み、誤った情報にぜんぜん惑わされません。(もちろん自分の恋心や欲望に悩みはするものの)

それにしてもアメリカってこんなに「図解」なのか……という学校の性教育はもとより、今の高校生ってこんなことになっとるのか……とその発展ぶりに驚かされます。ところがオーティスのカウンセリングを聞くうちに、「そうそう、そういうのって悩むよね~」なんて思ってる自分に気づいちゃったりも。それはもしかしたら私たち日本の大人世代すらも、セックス、愛、性の多様性、セクシャルマイノリティに他する理解など「広義における性教育」をまったく受けていないという証拠かもしれません。こういうのを笑いとか切なさとともにドラマにできるなんてすごいこと。


韓流ドラマ『恋愛ワードを入力してください』
 

ある事件をきっかけに検索最大手「ユニコーン」を解雇された本部長ペ・タミは、業界第二位の「バロ」に転職。ネット検索の占有率逆転を使命に、かつて盟友だったユニコーン副社長ガギョンと対峙することに。バロでは、ガギョンの学生時代の後輩で今も彼女を慕うヒョンが、同じチームにやってきたタミをライバル視し……。

ドラマはIT業界で働くキャリアウーマン3人組の仕事と恋を描いてゆきます。三人は仕事においてはライバルで、決して相手に負けたくないと思っていますが、プライベートでは姉妹のように感じていた時期もあり、決していがみ合ってはいません。ドラマが魅力的なのは、つばぜり合いを繰り返しながらも、3人が実は誰よりも互いの気持ちがわかるから。3人がいざというときに連帯できるのは、組織を超えて同じものと戦っているからかもしれません。それは一言でいえば「旧世代の常識」といったところでしょうか。

「恋愛ドラマ」のイメージが強い韓国ドラマですが、どのドラマも必ずしも恋愛がメインテーマではありません。このドラマでは3人にはそれぞれに年下男との愛情関係があるのですが、それは彼女たちの人生の一部でしかありません。特に主人公タミは「非婚主義者」で、「「結婚したい人」が理由を聞かれないのに、「結婚したくない人」にはなぜみんな理由を聞くの?」というセリフには、個人的にすごく共感しました。

とはいえ恋愛要素もこのドラマの大きな魅力。特にタミの恋人役のチャン・ギヨンは私のイチオシ俳優で、誰もがトローンとしちゃう年下男子を演じており、これを楽しみに見ることももちろん正解です。