快調に走り続け、しまなみ街道とクロスバイクに慣れた頃、編集部・大森はおよそ35km地点で見事に大転倒いたしました。

慣れからくる心の余裕からなのか集中力が切れていたようで、いらぬ急ブレーキ、それも利き手による右ブレーキをかけたためです。つまり前輪ブレーキをかけたために、前輪にロックがかかり、前輪を起点にして見事な前転(大回転?)をしてしまったもよう……(知人のサイクリストに伝えたところ、かなり驚かれ、真剣に怒られました)。


その瞬間は何が起こっているのか分からず、ただただ今まで見えていた景色がスローモーションでキレイに180度回転していく様を受け止めていたのみ。後から考えると柔道の一本背負いのような放物線を描きながら宙にカラダが舞っていたのだと思います。不幸中の幸いで、右半身のひじと膝近辺にアザをつくり、多少擦り剥けた程度で済みました。奇跡的にキレイな受け身がとれていたようです。
その場でしばし茫然自失。ひとりサイクリングで転倒すると、それを共有してくれる相手がいないため、照れ笑いすることも、奮起することも、落胆することもできないものだな、と。
はい、ひとり旅、こういう時、つらいです(笑)!

そこで、転倒現場のほど近くにあったジェラート屋さんにIN。しばし瀬戸内ののんびりした海を見ながら惚けつつ、気力が戻ってくるのを待つことに。


糖分補給したことで「行けるところまで行く!」と妙なエネルギーがどこからか湧いてきて、再びペダルを漕ぎ出しました。ですが、この日は多々羅大橋を渡ったところでタイムアップと判断。

レンタサイクルスタッフに「多々羅大橋を超えたらそこは今治市、つまり愛媛県だよ」と聞いていたので、愛媛県までたどり着けたことでひとまず満足。潔くUターンすることに(本当は多々羅大橋を渡り終えてすぐ、大三島にある多々羅温泉に入るのを目標にしておりましたが、できたてほやほやの擦り傷にしみそうだったので諦めました……)。


やはり、今まで漕いできた道を戻る力(体力というより転倒による気力)のダウンが回復しきれず、生口島にある瀬戸田港から尾道港に出ているフェリーのお世話になることに。


瀬戸田港の待ち合い室には電動アシスト自転車4人組の女子旅チームがおり、負傷し、疲弊しきったひとり旅の私には本当に彼女たちがキラキラと眩しく見えました……ですが、まさに、捨てる神あれば拾う神あり。フェリーを待つ間、そんな私の負のオーラに気づいたオランダから来たらしいサイクリストの方が私にデコポンをプレゼントしてくれました。

何の説得力もないかと思われますが、尾道を訪れ、体力(自信がない方は電動アシスト自転車を)と時間に余裕がある方はぜひチャレンジを! その際は、慣れからくる慢心にご注意くださいませ(苦笑)。
サイクリングMEMO
レンタサイクル先:HOTEL CYCLE
走行距離:46.56km(尾道港→渡船→向島→因島大橋→因島→生口橋→生口島→多々羅大橋→生口島→フェリー→尾道港)
消費カロリー:1575cal
平均時速:16.3km
最高時速:36.3km
走行時間:約3時間(休憩含む)
ライト弁償代:2160円

次回、ひとり股旅 〜そして、尾道に恋をする〜 最終回
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