二拠点目を持つというより都内を移動する感覚だった

自宅近くのハルニレテラスで受けられる「おひるねマッサージ」。小川のほとりに設えられたテントにベッドが2つ。マッサージはもちろん、川の音や鳥のさえずりに癒されるところがお気に入り。

軽井沢生活の魅力について、息つく間もなく話してくれる川上さん。実は軽井沢に引っ越すまでは、京都にも拠点を持っていました。

「主人はデザイン関係の仕事をしていますが、当時は京都の案件が多かったので、月のうち3分の1ぐらいは京都に滞在していて。インバウンドでホテルが取りづらいこともあったので、だったら拠点を持った方がいいよねということになったんです。私も仕事柄出張が多かったので、二拠点目を持つということはそれほど大げさなことではなく、都内を移動する感覚でした」

 

東京と京都は新幹線で2時間弱。交通費はかかるものの、京都の友人たちが京都ならではの季節の行事に誘ってくれたり、馴染みのお店に連れて行ってくれたりといろいろと気にかけてくれたおかげで観光とは違う京都の魅力をたくさん知ったと言います。

「京都はもともと好きでしたが、友人ができて生活拠点ができると楽しさや過ごし方が変わるんですよね。食事をするにしても、旅行で行くのと住んでいるのとでは、訪れる店の種類が違うじゃないですか。家を借りたらもっともっと京都が好きになって、京都内で引越しするほど大好きな土地になりました」

今は京都と軽井沢という2つの距離が離れてしまったこともあり、部屋は一度手放したそうですが、今でも京都には定期的に通っているといいます。

川上さんが大好きだというカフェ&雑貨店のpace aroundにて。娘さんと旦那さんと。

最後に「川上さんにとって多拠点生活とは?」と尋ねると、こんな答えが。

「軽井沢に拠点を移したという話をすると、“思い切ったね”とか“家族ですごいね”と言われることが多いですが、私自身はあまり大変なことをしたという感覚はないんです。私の場合、暮らしのスタイルに合わせて、仕事のやり方も変化させていくことも柔軟に考えていて。もちろん、いろいろな事情でその土地から離れられないとか、その土地が大好きで離れる必要がないとか、住む場所もスタイルも人それぞれだと思いますが、もしそれを変えたいという気持ちがあるならもっと柔軟に考えてもいいんじゃないかなと。私の場合、拠点が増えることで学ぶことや得ること、感じることって本当に多かったです」

 


二拠点生活を送る上で出会うさまざまな景色
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次回は東京から淡路島に子連れで移住した、働く女性の方の話をお届けします。

撮影/川上ミホ
取材・文・構成/井手朋子

 

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