窯焼きVSクスクス。名物が待つイタリアンへ
かたやピッツァ窯で作る多彩な窯焼き、かたや珍しい伝統食クスクス。旨い名物を持つ2軒は、雰囲気もイタリアらしさ満載で早くも人気だ。
◆築地の人気シェフ、待望のピッツァ窯を作る。 築地 トゥットべーネ!築地
東京の台所、築地にいつか本格的なピッツァ窯を!いまや築地のイタリアンと言えば、真っ先にその名があがる人気店となった『パラディーゾ!』の久野貴之さんが、かねてからのそんな願いを叶え、窯のある姉妹店を構えた。かつてピッツァイオーロだった久野さん、いまは連日窯の前だ。イタリア産小麦粉のナポリピッツァは、縁がぷくりとふくれ、ビシッと決まった焼き加減も、さすがは昔取った杵柄。とはいえ、焼くのは、ピッツァに留まらない。炉内が500度にもなる窯は「最高の調理器具だと思います」と、多彩な料理に使う。魚介が豪快にのった築地ならではの窯焼きは、その真骨頂が味わえる皿だ。
◆クスクスが名物のトラットリアが誕生。バンデルオーラ 恵比寿
クスクスといえば、北アフリカの伝統食。が、「シチリア西部の街トラーパニに続く郷土料理でもあるんです」と、目黒の人気トラットリアなどでサービスを務めてきた松下文勝さん。自店を開くにあたり、シェフは改めてイタリアを巡り、この料理に溢れ込んだという。専門店を訪れ、現地の味を再現したという7種は、北アフリカのそれとはかなり違う。
中でもトラーパニ風!溢れんばかりの魚介に隠れたセモリナ粉の粒は、魚介の旨みを含ませてから、ナッツやハーブと炒めてあり、そこにさらに濃厚な魚介のスープをかける贅沢さ。旨味がこれでもかと重なって、リピーターが多いというのも納得の一皿だ。
FRaU 2014~2015年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社
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