窯焼きVSクスクス。名物が待つイタリアンへ
かたやピッツァ窯で作る多彩な窯焼き、かたや珍しい伝統食クスクス。旨い名物を持つ2軒は、雰囲気もイタリアらしさ満載で早くも人気だ。

◆築地の人気シェフ、待望のピッツァ窯を作る。 築地 トゥットべーネ!築地
東京の台所、築地にいつか本格的なピッツァ窯を!いまや築地のイタリアンと言えば、真っ先にその名があがる人気店となった『パラディーゾ!』の久野貴之さんが、かねてからのそんな願いを叶え、窯のある姉妹店を構えた。かつてピッツァイオーロだった久野さん、いまは連日窯の前だ。イタリア産小麦粉のナポリピッツァは、縁がぷくりとふくれ、ビシッと決まった焼き加減も、さすがは昔取った杵柄。とはいえ、焼くのは、ピッツァに留まらない。炉内が500度にもなる窯は「最高の調理器具だと思います」と、多彩な料理に使う。魚介が豪快にのった築地ならではの窯焼きは、その真骨頂が味わえる皿だ。

  • タマネギの甘味が効いた、ナポリ名物 豚肉のジェノヴェーゼソース¥1600。
  • トマトと自家製ソ ーセージのピッツァ、マチェレリア¥1500。
  • 本日の魚介の窯焼き盛り合わせ¥3600。香草パン粉をふった蛤はじめ、高温短時間で焼いた魚介はジューシーさが違う。(すべて税別)
築地 トゥットべーネ!東京都中央区築地7-10-10 1、2F tel. 03-6278-7048 営業時間 11:30~14:00LO、18:00~22:00LO 休:日曜 カウンター11席、テーブル20席 ランチはピッツァのみで¥980~。ピッツァ、窯焼き料理のほか、前菜、パスタも豊富。ワインは日本の銘柄も揃えていて、グラス赤・白¥600~、ボトルは3000円台から。(すべて税別)

◆クスクスが名物のトラットリアが誕生。バンデルオーラ 恵比寿
クスクスといえば、北アフリカの伝統食。が、「シチリア西部の街トラーパニに続く郷土料理でもあるんです」と、目黒の人気トラットリアなどでサービスを務めてきた松下文勝さん。自店を開くにあたり、シェフは改めてイタリアを巡り、この料理に溢れ込んだという。専門店を訪れ、現地の味を再現したという7種は、北アフリカのそれとはかなり違う。
中でもトラーパニ風!溢れんばかりの魚介に隠れたセモリナ粉の粒は、魚介の旨みを含ませてから、ナッツやハーブと炒めてあり、そこにさらに濃厚な魚介のスープをかける贅沢さ。旨味がこれでもかと重なって、リピーターが多いというのも納得の一皿だ。

  • クスクストラーパニ風¥2000。別添えでやってくる魚介のスープは、それだけでも旨い!
  • シェフの故郷の食材、錦雲豚で作った、サルシッチャとザワークラウトの煮込み¥1700。
  • 魚介によって異なる液でマリネした、魚介のマリネ盛り合わせ¥1800。(すべて税別)
バンデルオーラ東京都渋谷区恵比寿南2-7-5 tel. 03-6712-2377 営業時間 11:30~14:30LO、18:00~22:00LO 休:日曜、祝日 カウンター3席、テーブル36席。パスタランチ¥1000~。ディナーはアラカルトのみだが、メニューは豊富で80種あまり。パスタも13種類。グラスワインは赤・白各5種ぐらいで¥600~。(すべて税込)
撮影/谷 尚樹 取材・文/斎藤優子 構成/藤本容子
FRaU 2014~2015年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社
 
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