新たな野望


さて、お話は戻って、起業に失敗、無職です。

ここから、第二の専業主婦時代に突入しました。一度目と違い、このときは本当に暗かった。事業は失敗し、自信喪失。子育てだけはどうにか必死に取り組むものの、内心は打ちひしがれて気力もなし。

夫が「まあ少し休んだら」と言ってくれたのをいいことに、テレビを見て引きこもりです。ちなみにこれは、私が会社員時代に彼を養い、全額自費のMBA留学を黙って応援した成果かもしれません（笑）。

でも半年ほど経ち……このままでいいのかな？　と正気に返ります。

まずは、できる範囲から。育児もあるので、家から歩いて行けるという条件でパートの仕事を探し、近所の税理士事務所で週3日働き始めました。

これは資格の強いところで、多少ブランクがあっても仕事に復帰しやすい。もしこれから勉強に挑戦する方がいたら、そんな観点で選ぶのもいいかもしれません。資格は特にライフステージとともに仕事が変わる可能性がある女性には大きな武器になると思います。

しばらくは母業とパートタイム税理士に励みました。

ある意味、理想的な働き方かもしれません。

それでも、やがて、欲張りで妄想力たくましい私の中に、ふつふつと野望が芽生え始めていました。

 


次回最終話は、川崎さんが黒歴史を乗り越え、ついにパラキャリアを軌道に乗せた秘訣を伺います。
 

川崎涼子さん税理士川崎涼子事務所代表
株式会社リベルテ代表取締役
京都生まれ、東京在住。税理士試験に合格後、大手税理士法人に勤務。出産後はワークライフバランスを重視し、税理士法人にて主に中小企業の税務顧問に従事した後、独立開業。2020年度の港区助成事業に採用された「女性起業家のためのイチから分かる会計講座」を担当。税理士業務と並行してSNSを通じて起業家育成を担う。2021年、株式会社リベルテにて、女性フリーランスのための会社設立講座をスタート。2人の小学生男子の母。
▶税理士川崎涼子事務所
▶Facebook「女性起業家のための節税クラブ」
▶Instagram＠ryoko_tax_zeirishi
取材・文／佐野倫子
構成／山本理沙
写真提供／川崎涼子さん
 


前回記事「専業主婦から税理士に！？「あなたが女性の社会進出を閉ざしてる」と言われた彼女の無謀な挑戦」＞＞