ハンデのある子を迎えることは、良子さんにとって「大変なこと」でもなんでもない。気になる子を迎えて、安全や健康により気をつかってあげるだけのことだ。「かわいそう」と思ったこともない。レオなんて、こんなに強気で生きている。

ふつうの猫たちと暮らすのと違う点があるとすれば、自分に何かあってはならないという危機管理の緊張感がいつもあることだ。レオが必要な圧迫排尿は、よほど手慣れた人でないと難しいのだ。

ひとつ屋根の下、のんびり暮らしていこうね

 

盲目のてつおの美しい眼差しを、てつおと対面した著者の佐竹さんは、「ハッカドロップとメロンドロップのように愛らしい」と表現。良子さんの思いを知ったのち、てつおの写真を見つめると、ほんとうにぴったりな表現だなと見惚れてしまいます。

 
どの子も愛されて、楽しくその生をまっとうできますように。またたび家の思いと、良子さんの願いは重なり合う。

「最後まで守る」意志を持って、気配りと愛情を注ぎ続けること。飼い主にその思いさえあれば、きっとどの猫も、その子らしい生を「生ききる」ことができるだろう。寿命の長い短いは、人間の幸福の尺度に過ぎない。

猫たちは、注がれた以上の深く一途な愛情を返す。
そして、たくさんの喜びをくれ、たくさんのことを教えてくれる。

ふつうの猫、ふつうの家族として、良子さんと猫たちは愛情を交わし合う日々を送っているのでしょう。良子さんの膝の上で安心しきっている、てつおたちの表情が印象的です。