私を入れて書くときは、私が出てくる「必然性」が必要
私を入れて書くのは、読み手にとって私が入る意味があるときです。一番わかりやすいのは、読み手が発信者のファンという関係性の場合です。「私が気に入ってる」「僕はこれが好き」と伝えることに意味があります。
では、有名人でもファンがいっぱいいるわけでもない人は、自分の目線を入れる意味がないのかというと、そんなことはありません。前回、プロフィールには「専門性」か「共感性」を盛り込むといいというお話をしました。「あんた誰?」のツッコミに答えるのが、まさに「専門性」と「共感性」です。
「なぜキミがこれについて(偉そうに)語っているのか?」という疑問に答えるのが「専門性」。そのジャンルに知識や経験があるから語っているという理由づけです。
「共感性」は読み手の代弁者、代行する人になれるときや当事者性がある場合。年代、体型、肌質、境遇、性質などが似ている人に代わって、自分の体験をもとに感想を伝える場合です。“やってみた”“モニターの声”などもこのジャンルですね。
私自身「ミモレ」で原稿を書く際も、私を入れて書くかどうかは必然性で使い分けています。例えば、あるアパレルブランドが「サスティナブルな製品づくりをしている」と紹介するのに、自分の好みを差し挟む必要ないと思えば、メディア発信に徹します。一方、そのブランドのアイテムを紹介するのに「小柄だが華奢ではない私が、この服を着るとこんな感じ」という情報が、読み手を代行する人として意味がありそうと思えれば自分の視点を入れて書くといった具合です。
書きたいことがない人ほどメディア発信に向いている
「私、発信したいこととか書きたいこととか全然ないし、SNSは見る専門」という話をよく聞きます。発信を無理に勧めるつもりはありませんが、SNSやブログは自分発信をするものと思って躊躇されている方がいたとすれば、メディア発信方式をやってみるのはおすすめです。
自分の感想や私なりの目線などを入れなくても、良いなと思ったものの情報を書いて、リンクを貼ってシェアするだけでもメディア発信です。何を選んで、何を選ばなかったかにすでに十分な主観があります。続けるうちに“私らしい発信の形”が見えてくるかもしれません。
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