金銭的対価を目的としない「マイプロジェクト」

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実は「一歩踏み出してみる」ということでいうと最近、興味深い調査結果がありました。
私が理事をしているフリーランス協会で公表した「フリーランス白書2022」(※1)の調査結果によれば、メインの収入源となっている仕事以外に、金銭的対価を目的とせず、自らの創作活動、スキルアップ目的とした活動である「マイプロジェクト」をしていると回答したフリーランスは、61.5%(n=760)にものぼりました。

 

これはあくまでフリーランスを対象としたアンケート結果ですが、マイプロジェクトの考え方は会社員にも十分通じると私は思います。

では、マイプロジェクトとはどういったものでしょうか? 「フリーランス白書2022」の中から、いくつかコメントをご紹介しましょう。
 

「将来の高齢化社会に向けて介護関連で新ビジネスを始めたいと思い、敢えて本業を週3~4日勤務にし、残りの時間で介護資格を取得したり、介護ボランティアで現場経験を積んだりしています。対価は交通費程度」(事務・バックオフィス系)

「文字起こし。お金にはならないので月に1件ほどにおさえているが、多様な分野の案件があるので興味の幅が広がり、正しい日本語への意識が高まるため、本業の翻訳業にも役立つ」(通訳翻訳系) 

 「ボランティアで古民家利活用のNPOでプロボノをしている。稼働時間は月に2日程度。地域との繋がりができること、そこから新しい発見があることが非金銭的報酬に繋がっている」(企画系)


「マイプロジェクトのメリットに関する自由回答」を見ると、仕事の幅が広がったり、経験値が上がることで自信を得て、新たなチャレンジへの意欲がわくといった記述がみられました。

「自分に自信が持てない」「自分に何ができるかわからない……」そんな想いを抱える人には、どんなにささいなことでもいいのでぜひ一歩踏み出してほしいのです。

ただ、「自分を知る」「キャリアに活かす」というと難しくとらえてしまう人が多いのも事実です。でも上記にご紹介したように、興味があることをフックに行動を起こしてみると、そこで新たな人とのつながりが生まれて、人とのふれあいを通じて自分を客観視できます。


「マイプロジェクト」は、「金銭的対価を目的としない」のがポイントです。だからこそ、純粋に興味のおもむくままにチャレンジしてみましょう。ボランティアないしはそれに近い形だからこそ他者からの感謝に一層ふれることになり、勇気づけにもつながります。

みなさんもぜひ仕事以外の「マイプロジェクト」を意識してみてはいかがでしょうか?


※1)一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
「フリーランス白書 2022」

 

 

前回記事「「利他的キャリア」私の場合。人とのご縁や流れに身を任せていたら今の仕事につながった」はこちら>>

 
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