色を更新するという、楽しみ
見慣れた自分が、パッと変わる!


ベルギーリネンフリンジストールの人気の理由としてもう1つ挙げるなら、それは繊細で洗練された発色です。アソースメレを象徴する、なんともニュアンシーで美しい色展開も繭子さんのリクエスト。

「繊細な色出しを大事にしようと話しています。まず最初に展開したのがベージュのグラデーショントーンでした。メイクのパレットのイメージで、ずらりと並んだカラーバリエーションの中からご自身に合うものを選んでもらおう、とご提案しました。ストールをずらりと並べた時の美さは常に意識しています」と繭子さんが話してくれました。

「愛用品としてクローゼットの一番前にアソースメレのストールを置いていただけたら、この上なくうれしいですね。そして、アイテムが増えていった時にも、それらが調和するように。クローゼット開いた時にパッと目に飛び込んでくる色にときめいたり、気持ち穏やかになったら素敵ですよね。それが理想なんです」。

 

この夏の提案は、ピンク色。そのインスピレーションリソースは、南米のラグナ・コロナダ。「ボリビアのラグナ・コロナダには絶滅危惧種に指定されているコバシフラミンゴが立ち寄ることでも有名なんです。その自然の神秘が生む美しいピンクのグラデーションは、今の私たちが欲する色なのではないかという気持ちで。女性はいくつになってもやっぱりピンクが好きですよね。見ているだけでも幸せになれるこの色は、なかなか思うようにはまだ行動できない中、人に安らぎも希望も授けてくれるのではないかと感じたんです」と、繭子さん。

 

「私自身、都会での生活する中で、たまに訪れる山の緑や、海のブルーなどに癒されます。長引くコロナ禍で、心も知らず知らずに疲れているのではないでしょうか。そんな時に自然は私たちにパワーをくれます。それに、時には華やいだ色をまとう、そんな楽しさがあってもいいと思って。今回のピンクも野性味の残る原料を用いたりと、色出しに工夫を凝らしました」。

繭子さんのお話に、深く納得です。時には華やいだ色をまとっておしゃれをする。先行きの見通しが立たない今だからこそ、できないことを探してがっかりするより、小さな楽しみを大切にしたり、小さな幸せを数えられる人でいたいとつくづく思います。いつもよりも明るい色を身につけたり、美しい色にうっとりしたり。そんなふうに自分をチアーアップしながら毎日を重ねていけたら、きっとその先にはいいことがありそうな気がします。

卓越した職人技が生み出し、自然からインスパイア色を重ねた一枚は、身につける自分も心地が良く、そして人をも惹きつける魅力がきっとあるはず。アソースメレが多くの人に愛される理由にピュアな繭子さんの思いがちゃんと重なっている、そんな気がしました。

2回にわたってお届けしたアソースメレのストールの魅力、多くの方に届いたらうれしいです。

次回はニットブランドのスローンにお邪魔します。夏に愛用しているスペシャルアイテムに迫りたいと思います。その内容は、5月に2度にわたってアップします。どうぞお楽しみに!

 

(左)大谷繭子(おおたにまゆこ)●「アソースメレ」ディレクター。大学卒業後、ラグジュアリー誌、ファッション誌の編集及びライティングに携わり、ファッション、食、旅、インテリアを切り口とした取材・執筆活動を行う。現在は企業のブランディング、コンサルティング業を行う会社を経営。2018年にはギフトサイト「ギフトリエ」を立ち上げる。ギフトリエ公式HP Instagram: @asoucemeler  @mayucocon

左)松井陽子(まついようこ)●ファッションエディター&ライター。湘南在住。雑誌やカタログ、広告など広いジャンルで活躍中。mi-molletで月に2回アップされる「スタッフの今日のコーデ」も人気。Instagram: @yoko_matsui_0628

撮影/目黒智子
構成・文/松井陽子
編集/朏 亜希子(mi-mollet編集部)
撮影協力/アソースメレ

 


前回記事「美しい色、心地よい素材。顔まわりがパッと華やぐ「アソースメレ」のストールの魅力」はこちら>>

 
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