「ルールはルールだから」という言葉の害


ビジネスにおける”暗黙”のルール。よく考えてみれば、「え、なんでそんなルールあったんだっけ?」と思うようなものが山ほどあるのではないでしょうか。

 

就活や結婚式、お葬式といった場面でも、問題視されているものはたくさんありますし、ルールができた理由を調べてもこじつけとしか思えなかったり、時代に合わなくない? と思ったりするようなものもあります。

「ルールはルールだから」という、よく聞く言葉。ルールを守ることが善で、社会人として当然の振る舞いで、大人としての常識で。ルールを守らないのは悪で非常識。世の中には、そんな考えが根強いように感じます。

確かに、「正当な」ルールに関してはそうでしょう。他者と円滑にコミュニケーションをとり、日常を回していくために必要なルールはたくさんあります。

しかし、「ルールはルール」という言葉は、筆者には思考停止に繋がる側面もあるように感じます。「ルールだから守らなければいけない」のその先、なぜそのルールが必要なのかを考えずに盲目的に守ることはラクだけれど、それはルールの形骸化や、理不尽なルールを温存することに繋がります。ブラック校則問題は、学校や学生だけの問題ではなく、社会全体の問題であるように思います。

筆者は、単発の派遣の仕事をしていた時期があり、たくさんの現場に行きました。
そこで目にした謎ルールや、少し不思議に思ったことを今日は紹介します。

 


【勤怠管理の謎ルール】
始業時間にやたら厳しく、仕事が終わっても帰れない

 

工場で作業した時のこと。その現場では、1日の作業量が決まっていました。その日は、就業時間の30分前に作業が終了。「早く帰れる!」と喜んだのも束の間、現場のリーダーが「じゃあ、時間まで待機!」と号令を出したのです。

その工場に届く1日の資材の量は決まっているため、翌日分の作業を進めるわけにもいきません。リーダーがカードをかざさないと扉が開かない仕組みの部屋の中、時間が来るのをただじーっとみんなで待つしかありませんでした。

私はその日だけの就業でしたが、毎日ここで働く人のことを考えると「この時間って必要?」と疑問に思わずにはいられません。