時間に関することでは、遅刻にはやたら厳しいのに、業務などの延長にはとてもゆるい、という現場もいくつも経験しています。催事でスタッフをした時、秒針までチェックする店長がいました。遅刻はもちろん、休憩から戻るのが30秒でも遅いと、腕時計を見ながら「次から給料減らすよ」と言うのです。

しかし、そう言った当人は終業後にスタッフに説教したり、気に入ったスタッフを引き留めておしゃべりしたり……。「日本では始業の時間は死守するのに、終業時間は守らない」なんてツイートがバズったりしますが、始業に厳しく終業にゆるいというのは悪しき習慣なのかもしれません。
 

【接客の謎ルール】
過剰すぎ? お客様への「一礼」と「謝罪」

 

他にも謎ルールとまではいかなくても、接客業で少し不思議に思うルールはたくさんありました。

「ポイントカードはお持ちですか?」とお客様に聞いて「持ってません」と言われたら、「失礼いたしました」と答えなければならない決まりがあったのですが、いつもやりとりしながら頭の中で「これ、何に対しての失礼しましたなん?」と頭に“はてな”がいくつも浮かびました。

また、売り場からバックヤードに入る時、またバックヤードから売り場に戻る時に、「売り場に向かって一礼する」というルールも。それをしないといけない理由は共有されておらず、これも正直心の中では「これやる意味あるの?」と思いつつ、やったりやらなかったりを繰り返していました。

もちろん、それを見て丁寧だな、という印象を持つ人もいるのかもしれません。ただ自発的にやるならまだわかりますが、強制されてやることなのかな? と疑問に感じたのです。

本来、自発的にされていたはずの「こうやったらより丁寧かな?」というお客様への配慮が、みな一律にしないといけないルールになっていく、ということが結構あったりします。