【試食販売の謎ルール】
食品ロス問題の逆を行く「余ったものはすべて廃棄」

 

試食販売の仕事では、サンプルは余ったら絶対に破棄しないといけないというルールがありました。試食に使う食品はメーカーから送られてくるケースと、販売員がまずは売り場から買い取って後日精算するケースがあります。メーカーから送られてくる場合、かなり余裕のある量が届きます。

ですが、雨で客足が伸びなかったり、そもそも来店者数が少ない小さなお店だと、サンプルを配り切れず大量に余ることがあるのです。そういった場面であっても、仮に持ち帰ったら窃盗になる、と研修で強く教えられます。店舗の担当者が引き取ってくれることもありますが、「捨てて」と言われることも結構あるのです。

それで筆者は、2キロもの個包装の飴を捨てたことがありました。加えて、一緒に配っていた景品も余った場合は全部捨てなければならず、「ルールだから」と自分に言い聞かせて捨てたものの、再利用される方法はないものか……と心が痛みました。

 


【お客様の目を気にしすぎる謎ルール】
水分は摂らない or かがんでこっそり飲む

 

お客様からの「見た目」についても、いくつか感じたことがあります。

美容系のイベントで美容部員さんの補助をした時のこと。勤務を始めて3時間ほど経った頃、「水分補給をしたいのですが」と申し出ると、「普段私たちは水は飲まないから、勤務中は飲まないで」と言われました。

現場によって対応は違いますが、お客様の前で水を飲んではいけない、というのは接客業では徹底されています。筆者が働いた現場では、かがむなどしてお客様から見えないようにすれば飲んでもいい、というところが多かったです。

見えないように、というのはお客様への心配りなのかもしれませんが、水分補給自体の禁止は、体調にも影響するので危険だと感じます。