アフリカ外でヒトからヒトへの感染が発生


実際に、現在欧米で感染が報告されている人のほとんどは明らかな動物への暴露、アフリカへの渡航がないようで、ヒトからヒトへの感染と考えられています(参考文献7)。特に初期にヨーロッパから報告されたケースは、感染者との性交渉中の接触で感染が起こったと考えられているようです。このようなヒトからヒトへの感染がアフリカ外で連続して起こる事例は過去に例を見なかったため、懸念されています。現在特定された50名近い感染者は全員隔離をされているようですが、見つかっていない感染者もいる可能性が大いにあります。

 

ヒトからヒトへの感染伝播という点では、繰り返しになりますが濃厚接触が前提となり、新型コロナのように次から次へと容易に感染が広がっていってしまうという懸念は低いと考えられています。
ですが、これまでの報告によればその潜伏期間で、症状が出るまでの時間は平均12日程度とされています。この間も感染が広がりうるため、潜伏期間内での感染を防ぐのが難しいという点は頭に置いておく必要があるかもしれません。

感染しても無症状のこともあるようですが、症状が出た場合には、中に膿を含む発疹(97%)、発熱(85%)、悪寒(71%)、リンパ節の腫れ(71%)、頭痛(65%)、筋肉痛(56%)などの症状が1~2週間ほどの潜伏期間を経て出現します(参考文献8)。中でも、発熱は平均8日ほど、皮疹は平均12日ほど続くと報告されています。重症の場合には、症状が3~4週間続くこともあるそうです。

米国の30名ほどの感染アウトブレイクの際には、命を落とした人は出ませんでしたが、これまでにアフリカなどではお子さんや若者などを中心に致死率は1%から数%に上ったと報告されています(参考文献1)。米国では34人中9人は入院での治療が必要となり、脳炎などを発症し重症化した患者もいたようです(参考文献4)。現在報告されている感染者の中では、今のところ幸い死亡者は報告されていません。