なんとなくじゃダメ、今の10倍感謝しなければ!


感謝する心が大切なんて、小学校の道徳の時間から、ずっとずっとどこかで言われ続けてきて、もう重々わかりすぎる位わかってる、拍子抜けしたはずです。でも、ちゃんとできているかと言われると、どうなのだろうと黙り込む……そういうものなのではないでしょうか。しかも、そこには幸福感が生まれる気配など、まるで感じないのが現実です。一体どういうこと?

じつは、幸せになる絶対の約束は、「ただの感謝じゃない、10倍感謝せよ」。曖昧な感謝では意味がないという話なのです。

幸福学の第一人者でもある前野隆司氏へのインタビューで、幸せ因子の1つとして「感謝すること」があげられた時、思わず「自分なりに感謝はしているつもりなんですが……」と漏らしたら、この回答。「そう、感謝は“何となく”ではダメなんです。10倍感謝するんです。今の10倍!」

衝撃でした。 聞いた瞬間、これまでずっとモヤモヤしていたものが取り払われ、視界が一気に開けた感じ。なるほど、中途半端にぼんやり感謝していたのでは意味がなく、10倍感謝してこそ、幸せに直結するような効果を持ってくると言うことなのだと、思いきり腑に落ちてしまったのです。

 

でも10倍感謝するって、一体どうやるの? いきなり戸惑ってしまう人もいるかもしれません。日ごろからきちんと人に感謝してる人は、逆に何をどう10倍にするの? と。
でも私は、それが思いっきり響いてしまうほど、感謝の足りない人間でした。他者への感謝は心がけていたものの、家族への感謝が見事に不足していたことに改めて気づかされたのです。

特に夫に何かしてもらっても、口の中でモソモソ「ありが△×÷○=%」とわざわざ聞こえないように言ってしまうのが常。なぜもっとクリアに、もっと明るい声で「ありがとう」が言えないのか、おそらくは反対側で、日常生活での小さな不満が溜まっているから、お礼を言うべき場面でも、素直にありがとうを言えないブレーキになっていたのかも。

もちろん、ぼんやりとした後ろめたさがありました。これでは感謝になっていないと。特にコロナ禍、お互い家にいる時間が長くなると、当たり前の挨拶がどれだけできるかが関係を左右することも分かっていたから、さすがに「ありがとう」がきちんと言えないことに悶々としていたのは事実なのです。