市販薬と病院での使用では、薬の用量に差がある?
山田:ロキソニン・イブプロフェンが痛みによく効くと言われがちですが、実はアセトアミノフェンは使用量が非常に少ないために効かないと言われることがあって、少し損をしている薬なのです。
例えば市販薬ですと1錠で200mgぐらい入っていますが、病院で痛みに使用する場合は、1回600mg〜最大1000mg使っています。
1000mg使う薬を1回200mgだけ飲んで「この薬効かないよ」というのは、少しかわいそうですよね。ですので、効果を判断する際には、実際にその薬が効かないのか、それとも量が足りていないだけなのか、という可能性も考える必要があります。
碓氷:そして、どんな痛み止めを飲むかは「状況による」ということですね。
山田:はい。特別な事情がなければどの薬を使っていただいても構いませんし、効きの早さもそんなに差はありません。ですが、どうしても個人の経験で、飲んで効果のあった薬を「私に合う!」と思い込んでしまいがちです。けれど、実は他の薬とそんなに差がなかったりもするのですよね。
ですから、例えば年をとって腎臓にダメージが出てきた時はこっちにしよう、というように、選択肢を広く持ち、他の事情も考えながら薬を選ぶというのが賢い使い方になります。そしてわからないことがあれば身近なかかりつけ医に相談していただいて、薬の使い分けについて話を聞くのも大事ですね。
碓氷:お年寄りは飲まない方がいい薬があると聞くこともあります。今の話と関連しますか?
山田:はい。アセトアミノフェンは高齢の方でも安心して使っていただけますが、一方でロキソニンやボルタレンは高齢の方には少し注意が必要ですね。
碓氷:なるほど。今日は痛み止めの世界が広がりましたね。アセトアミノフェンが少しかわいそうなので、応援していきましょう。本日はありがとうございました!
構成/新里百合子
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