自力で生きていくには「特別な能力」が必要?

 

これまで「50歳から自分の活動を見つけて、それを楽しんでいる人」と、そうでない人を取材してきました。自分の活動を見つけられない人はよく「自分には能力がない」「資格とか技術があれば、仕事に困ることはなかったのに」などと言います。

でも、仕事というものを、そんなにむずかしく考える必要はないのです。
仕事を見つけていく人は、なんのスキルや経験がなくても「これなら私にもできそう」と楽観的に始めます。そして、やっているうちに、できることを増やしたり、深めたりしていきます。

“楽観性”というのは「なんとかなる」と明るい見通しをもつこと。「自分にもできそう」と根拠がなくても思えること。この楽観性こそが、人生を切り開いていくといってもいいでしょう。

 

50歳から人生を切り開く人の、3つの特徴


私が感じる【明るく、たくましい楽観的な人】の特徴は次の3つです。

 1. むずかしく考えず、「なんとかなる」とまずは飛び込んでみる
 2. 気負わずに、小さな「できること」をやっている
 3. うまくいかなくても「そういうこともある」と前を向く

つまり、楽観性のある人は、未来や過去のことにとらわれず、「いま、できること」に目を向けている人なのです。

「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する」という言葉を残したのは、フランスの哲学者アランでした。そもそも人間は、悲観的で弱い生き物なのです。

私ももともと楽観的だったのではなく、会社を離れてフリーランスとして独立した当初は、定期的な収入がない、先の見通しが立たない、社会的に認めてもらえないなど不安が襲ってきて悲観的に考えたものです。

自分に指示を出してくれる人、管理してくれる人がだれもいないのも大きな不安でした。自分を甘やかしてしまうと、どこまでも落ちていきそうで。

しかし、「これならできそう」「これなら当面はなんとかなる」と見通しが立って慣れてしまうと、これほど自由ですばらしい世界はないと思えてきます。