先を考え過ぎず、「まずは1年」やってみる

 

人は「わからない世界」に恐れを感じますが、すぐに慣れる生き物です。
新しい世界に飛び込んだときは、なにかと不安感をもちますが、じきに慣れます。
大切なのは、ともかく、明るくシンプルに考えること。うまくいかないことのほとんどは、むずかしく悲観的に考えて、“自爆”してしまうからです。

少々のうまくいかないことは折り込み済。命までとられることはなく、「なんとかなった」という経験が、だんだん心を図太くしてくれます。

楽観的であるために、私は先のことを決めすぎず、1年単位で仕事をしていくことをおすすめします。「とりあえず1年はこれをやろう」と1年を一括りとして、お試し気分で取り組んでみるのです。

「これからの人生、どう生きるか」はわからなくても、「この1年、どう生きるか」なら、楽観的に見通しが立てられるのではないでしょうか。

 

いま感じている「自分にもできそう」を育てよう


いまの仕事を更新してもいいし、職場を変えてもいい。前から興味をもっていた仕事に挑戦してみるのもいいでしょう。最初から大きな期待をせずに「面白そうだから、ちょっとやってみるか」という気楽さで小さく始めるのです。
 
40代、50代になると、自分になにができて、なにができないかは、ある程度、わかっているもの。ですが、それだけで自分に合っていて、やりがいのある仕事が見つかるわけではありません。

時代の変化が激しく、偶然の出逢いも大きく関係しているので、そのとき、そのときで「いまはこれをやろう」と細切れに選んでいったほうがいいのです。

「自分にもできそう」と思えるのは、とても大切な可能性。そんな小さな芽を大切に育てていくこともできるのです。


著者プロフィール
有川真由美(ありかわ・まゆみ)さん

鹿児島県姶良市出身。台湾国立高雄第一科技大学修士課程修了。作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの転職経験を生かし、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。著書に、ベストセラーとなった『一緒にいると楽しい人、疲れる人』『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』『まんがでわかる 感情の整理ができる人は、うまくいく』『まんがでわかる 30歳から伸びる人、30歳で止まる人』(以上、PHP研究所)等がある。

『50歳から花開く人、50歳で止まる人』
著者:有川真由美 PHP研究所 1485円(税込)

生きる基盤を作るのに必死な20代。家庭を持ち、仕事が生活のためという人も増える30代、40代。では、50代からはどう仕事していったらいいのか。著者の有川さんは、50歳からは自分優先で、遊ぶように生きることができる、と伝えます。「人生後半は働きたくないと思っていますか?」「年をとると、仕事がないと思っていますか?」など、思わず自分と対話したくなる、リアルなテーマがもりだくさん。50歳からのキャリアを楽しく・力強く歩むための方法を、手取り足取り教えてくれる一冊です。


構成/金澤英恵