みんな大好き『ローマの休日』の「ヘプバーンカット」とは

 

あのカットシーンで、オードリーは実際に地毛を切ったと言われていて、その後、このショートスタイルは、「ヘプバーンカット」と呼ばれ、日本でも大流行しました。
「当時を知る美容師さんから聞いたことがある」という話の受け売りですが、80年代に聖子ちゃんカットが一世を風靡したときと同じ、いや、それ以上の影響力だったとも。

 

今回初めて知ったのですが、『ローマの休日』って、興業収入の3分の1が日本なんですってね。日本人はオードリーが大好き。

この髪型、えり足が長めのショートカット。ベースはグラデーションカットだと思います。不揃いなカットラインが印象的なのだけど、これ、狙って切るとしたら相当難しいのではないかと。
えり足だけではなく、多分、前髪にもパーマがかかってる。今、やるとしたらホットカーラーで巻くと、近い質感になるのではないかと思います(結構、似合わせが難しいスタイルだと思う)。ウェーブじゃなくて、くりんとしたカール感がポイント。

さて、このヘアカットのシーンですが、「髪型チェンジ=キャラチェンジ」の象徴的なシーンだったと思います。

「え? そんなに短くするの?」と聞く美容師に対して「More! Even more!」と言い続けるオードリー。

完璧な女性を日々演じなくてはならないアン王女が、一人の素の女性に生まれ変わる。この瞬間、この女性は自分の人生を自分で選ぶことを決めたんだということを表現するために(つまり「役割~キャラ~からの解放」を表現するために)この大胆な、ヘアカットが必要だったんですよね。きっと。

何度見ても、いいシーンだなーって思います。
そして、映画史に残る名シーンが、ヘアカットのシーンであることが、嬉しい、私です。