これまで長年セックスをしていなかったのに急に腟を使おうとしても身体はいうことを聞きません。オリンピック選手だからといっても、いきなりスタジアムで100メートルを走って、良い記録が出るわけではありませんよね。日々の鍛錬によって、試合当日に華々しい結果を出せるわけです。これを私は「五輪の法則」と呼んでいます。

これはセックスでも同じことです。機能維持という面から考えると、1か月に2回は定期的にセックスをしたいところ。しかし、セックスは相手あってこそのもの。なかなか機会が持てない場合は、セルフプレジャーによって、機能を落とさないことが重要になってくるのです。
 

妻が受け入れない背景には「痛みの悪循環」の可能性も

 

拒み続ける妻に「愛がなくなったのか?」と絶望する男性にさらに知ってほしいのは、女性がセックスにストレスを感じている可能性がある、ということです。そしてその引き金にエストロゲンの減少による性交痛があったかもしれない、とも考えられます。

 

愛撫の際、強く揉みすぎたり、ゴシゴシと強い力で摩擦していませんか? クリトリスや腟は、敏感な臓器、ここを強すぎる前戯で刺激してしまうと、粘膜を傷つけ、出血を起こしてしまうことも。また濡れていないのに自分のペースを優先して、挿入する男性も残念ながらいるようです。

当然そのような場合は、女性は挿入の際に痛みを覚えます。往々にして女性はセックスで「痛い」と言わないがために、痛いセックスを我慢して、「セックス=お勤め」とさせてしまうことがあります。

セックスをするたびに痛みを感じると私たちの身体は、交感神経が緊張しっぱなしの状態になります。そうなるとまず血管は収縮し、血行不良が起こります。私たちは痛みを覚えると、無意識に身体が縮まりますよね。これは筋肉が収縮した状態です。筋肉がギュッと収縮して、身体が硬くなると血行不良に拍車がかかるわけです。

血流が悪くなるとその組織には酸素や栄養が運び込まれなくなり、痛み物質が発生してしまいます。やがてその痛みが脊髄から脳に刺激として伝わると、脳は「セックス=痛い」とインプットして、「痛みの悪循環」に陥ってしまうのです。この悪い流れをどこかで断ち切らないといけないのは自明の理ですよね。